日高選抜、初の全国へ挑戦!

日高選抜、初の全国へ挑戦!

「第22回青山杯(旧今泉杯)」に北海道代表として初出場

日高選抜、初の全国舞台へ! 苫小牧での激闘を経て佐賀へ挑む

 日高選抜は、10月25・26日の両日、苫小牧市で開催された「2025北海道学童軟式野球都市対抗戦」で快進撃を見せた。
初戦で昨年3位の千歳選抜を破ると、続く2回戦ではオホーツク選抜に1−0で勝利。準々決勝では函館選抜を2−1の接戦で下し、チーム初のベスト4進出を果たした。準決勝では優勝した札幌選抜に敗れたものの、代表決定戦では留萌選抜との激闘を(3)4−4(1)の七回タイブレークの末に制し、見事に初の全国切符を掴んだ。

 日高選抜は12月19日に北海道を発ち、全国大会の開催地・佐賀県へ現地入りする予定。
藤井孝介監督は、「選手たちは本当に頑張ってくれた。過去一番の成績です。日高管内には9チームの少年団があり、6年生はわずか21人。その中から選ばれた16人がここまで頑張ってくれました。全国でも胸を張って、チーム一丸で挑んできます」と語り、初の全国舞台へ向けて意気込みを示した。

保護者からメダル授与を受ける日高選抜ナイン
保護者からメダル授与を受ける日高選抜ナイン
閉会式で3位表彰を受ける日高選抜ナイン
閉会式で3位表彰を受ける日高選抜ナイン
第3位の日高選抜
第3位の日高選抜

【1回戦】日高選抜 4−1 千歳選抜

大会初戦の相手は、昨年全道3位と実績十分の千歳選抜。緊張感の漂う立ち上がりとなったが、日高選抜は初回、いきなり主導権を握る。二死二塁のチャンスで、4番・長崎修太朗(みゆきフェニックス/6年)がセンター前へ放ち、先制点を奪った。

三回には9番・竹内穂生(JBC日高ブレイヴ/6年)がレフト前ヒットで出塁。犠打で一死二塁とすると、1番に返り、2番・澤崎真大(JBC日高ブレイヴ/6年)のセンター前ヒットに加え、相手守備の乱れも絡んで2者が生還。さらに六回には、5番・小田大獅(JBC日高ブレイヴ/6年)がセンター前へタイムリーを放ち、ダメ押しの1点を加えた。

投げては竹内長崎修汰朗(みゆきフェニックス/6年)らがテンポ良く継投し、要所を締める投球。千歳打線を1点に抑え、4−1で快勝。緊張感の中にも勢いを感じさせる初戦突破となった。

千歳戦で好投を見せた先発・竹内投手=(写真・チーム提供)
千歳戦で好投を見せた先発・竹内投手=(写真・チーム提供)
千歳戦での応援席=(写真・チーム提供)
初戦の千歳戦に熱が入る日高応援席=(写真・チーム提供)

【2回戦】日高選抜 1−0 オホーツク選抜

この日はダブルヘッダー。強豪・帯広選抜を撃破し勢いに乗るオホーツク選抜との対戦となった。
日高のマウンドを託されたのは、今大会で安定感抜群の岩間椋平(えりも新栄野球スポーツ少年団/6年)。力強いストレートと丁寧なコーナーワークで打者を翻弄し、六回を投げ抜き被安打2、四球2、奪三振2の完封劇を演じた。

勝負を分けたのは二回。6番・松田灯真(うらかわ野球少年団/6年)が四球で出塁し、すかさず盗塁。犠打で一死三塁とし、8番・白川愛都(みゆきフェニックス/6年)がきっちりとスクイズを決めて先制。この1点を守り切り、1−0の完封勝利で準々決勝進出を果たした。

試合後、藤井孝介監督は「岩間の頑張りが大きかった。大会規定がイニング制限だったから六回を投げ切れたが、球数制限なら途中交代になっていた。紙一重の試合でした」と振り返る。また、「相手の廣瀬匡哉(紋別オホーツクイーグルス)、西田昴瑠(遠軽南ジャガー)らも本当に素晴らしい投手だった」と対戦相手を称えた。

オホーツク戦で完封劇を見せた岩間投手=(写真・チーム提供)
オホーツク戦で完封劇を見せた岩間投手=(写真・チーム提供)
オホーツク戦で安打を放つ長崎=(写真・チーム提供)
オホーツク戦で安打を放つ長崎=(写真・チーム提供)

【準々決勝】日高選抜 2−1 函館選抜

大会2日目の準々決勝は、体格とパワーに優れた函館選抜との一戦。
日高選抜は二回に先制を許し、追う展開となった。互いに粘り強い守備が続くなか、迎えた最終六回裏、ベンチの空気が一変する。

先頭の7番・互野朝陽(平取野球クラブ/6年)が右前打で出塁。続く打者が凡退し、一死一塁から牽制で挟まれるも、相手の送球が乱れ、互野は二塁へ進塁。土壇場でチャンスをつくる。
二死となった場面で、1番・澤崎真大(JBC日高ブレイヴ/6年)がセンター前へ鋭い打球を放つ。二塁走者の互野が本塁を狙うも、センターからの好返球で三本間に挟まれる。だが、このプレーでも相手守備が乱れ、打者走者の澤崎も二塁へ進み、二・三塁のチャンスが広がった。

ここで2番・高瀬健(みゆきフェニックス/6年)が初球を強振。高く舞い上がった打球に、ライトの函館・小野寺隼士(大中山野球スポーツ少年団/6年)がダイビングキャッチを試みるも、わずかに届かずライト前に落ちた。
三塁走者が同点のホームを踏み、さらに二塁走者の澤崎も快足を飛ばして一気に生還。劇的な逆転劇が完成した。

試合後、藤井孝介監督は「この試合が一番の山場だったかもしれません。選手たちが最後まで諦めず、粘り強く戦ってくれた」と語った。

函館戦で見せた好プレーの澤崎捕手=(写真・チーム提供)
函館戦で見せた好プレーの澤崎捕手=(写真・チーム提供)
函館戦・間一髪セーフ=(写真・チーム提供)
函館戦・間一髪セーフ=(写真・チーム提供)
函館戦・一点阻止の好プレー=(写真・チーム提供)
函館戦・一点阻止の好プレー=(写真・チーム提供)

【準決勝】日高選抜 1−7 札幌選抜

準決勝の相手は、優勝候補・札幌選抜。過去の練習試合でも敗れており、雪辱を誓っての一戦となった。
先発は好調の岩間椋平。しかし札幌選抜の強力打線を相手に、初回・二回で1点ずつを失い、四回には3点、五回にも2点を追加される苦しい展開に。

それでも四回裏、3番・海馬澤來徳(みゆきフェニックス/6年)、4番・長崎修太朗、5番・小田大獅の三連打で無死満塁と攻め立てる。6番の犠飛は惜しくもセンター正面だったが、7番・互野朝陽が押し出し四球を選び1点を返した。反撃はここまでとなったが、選手たちは最後まで全力プレーを貫いた。

試合後、藤井監督は「この無様な負けで選手たちに喝を入れた。次の代表決定戦では必ず勝って全国へ行くと誓った」と話し、チーム全体で気持ちを一つにして次戦へ臨んだ。

札幌戦のあと、応援席に挨拶する日高ナイン=(写真・チーム提供)
札幌戦のあと、応援席に挨拶する日高ナイン=(写真・チーム提供)

【代表決定戦】日高選抜(3)4−4(1)留萌選抜 ― 七回タイブレークを制す!

代表決定戦の相手は、今大会でも屈指の大型選手が揃う強打のチーム留萌選抜。
藤井孝介監督は「打力があり、一発のある選手が多いチーム。それだけにある程度、点は取られると覚悟していた。打ち勝つしかない!」と語り、チーム一丸で試合に臨んだ。

初回に1点を先制されるも、二回に日高選抜が反撃。連打で一気に3点を奪い逆転に成功する。四回にも1点を加えて4−1とリードを広げたが、その裏に2点を返され、試合は4−4の同点に。五回、六回は両軍譲らぬ攻防が続き、互いに無得点のまま六回を終了。大会規定により、七回から無死二・三塁のタイブレークに突入した。

先攻の日高選抜は、一死二・三塁の場面で2番・海馬澤來徳(みゆきフェニックス/6年)がセンター前へ鋭く弾き返し、三塁走者に続き二塁走者の白川愛都(みゆきフェニックス/6年)も一気に生還。さらに4番・長崎修汰朗(みゆきフェニックス/6年)がレフトオーバーのタイムリーを放ち、この回3点を先取した。

七回裏、反撃を試みる留萌選抜は、先頭の3番・砂原瑛太(羽幌フェニックス/6年)が死球で出塁し、無死満塁のチャンスを作る。1死後、5番・菅原蒼音(羽幌フェニックス/6年)の打球がレフトポール際へ高々と舞い上がる。審判は「ファウル」とジャッジしたが、留萌ベンチから「ホームランでは」との抗議が入り、審判団が協議。最終的に大会長・浦野和由氏の「ファウル」の裁定で再開された。

再開後、菅原が押し出し四球を選び1点を返す。2点差に詰め寄られたが、続く6番・土清水京(羽幌フェニックス/6年)の鋭い打球を三塁手・海馬澤が横っ飛びで好捕し、二死とする。最後の打者を三振に仕留め、日高選抜が見事タイブレークを制した。

死闘の末に勝利を手にし、日高選抜は悲願の全国大会出場を決めた。藤井監督は「最後まで諦めずに戦い抜いた選手たちを誇りに思う」と語り、日高管内から掴んだ全国への切符を噛み締めた。

留萌戦・逆転タイムリーで喜ぶ高瀬(写真・チーム提供)
留萌戦・逆転タイムリーで喜ぶ高瀬(写真・チーム提供)
留萌戦・雨中決戦を制した日高選抜=(写真・チーム提供)
留萌戦・雨中決戦を制した日高選抜=(写真・チーム提供)
留萌戦に勝利し、喜ぶ父母=(写真・チーム提供)
留萌戦に勝利し、喜ぶ父母=(写真・チーム提供)

日高管内の小さな町から全国の舞台へ

 9チーム・わずか21人の6年生しかいない日高管内から選ばれた、精鋭16人。
人数の少なさを嘆くことなく、互いを信じ、励まし合いながら積み上げてきた努力が、ついに実を結んだ。
その結束力と粘り強さでつかんだ、日高管内初の全国切符。
広い大地で育まれた負けん気と仲間への信頼を胸に、彼らは12月、佐賀の地で新たな歴史を刻もうとしている。
——「日高選抜」の挑戦が、いよいよ幕を開ける。

指導者・選手

指導者

▽監督
㉚藤井孝介(ふじい こうすけ) 
えりも新栄野球スポーツ少年団

▽コーチ
㉙佐藤克光(さとう かつみ) 
うらかわ野球少年団

㉘幌村克巳(ほろむら かつみ) 
みゆきフェニックス

選手

⑩海馬澤 來徳(かいばざわ らいと) 
みゆきフェニックス
右投げ、左打ち 
154㎝、49㎏

⓪長崎 修汰朗(ながさき しゅうたろう) 
みゆきフェニックス
右投げ、右打ち 
155㎝、57㎏

①竹内 穂生(たけうち ほづき) 
JBC日高ブレイヴ
右投げ、右打ち 
159㎝、41㎏

②澤崎 真大(さわざき まひろ) 
JBC日高ブレイヴ
右投げ、左打ち 
152㎝、37㎏

③小田 大獅(おだ たいし) 
JBC日高ブレイヴ
左投げ、左打ち 
152㎝、48㎏

④白川 愛都(しらかわ まなと) 
みゆきフェニックス
右投げ、右打ち 
164㎝、46㎏

⑤高瀬 健(たかせ たける) 
みゆきフェニックス
右投げ、左打ち 
148㎝、39㎏

⑥松田 灯真(まつだ とうま) 
うらかわ野球少年団
右投げ、左打ち 
152㎝、40㎏

⑦石居 秀一(いしい ひでかず) 
うらかわ野球少年団
右投げ、右打ち 
165㎝、76㎏

⑧岩間 椋平(いわま りょうへい) 
えりも新栄野球スポーツ少年団
右投げ、右打ち 
157㎝、52㎏

⑨互野 朝陽(たがい の あさひ) 
日高・平取野球クラブ
右投げ、右打ち 
155㎝、43㎏

⑪中野 実結(なかの みゆ) 
えりも新栄野球スポーツ少年団
右投げ、右打ち 
145㎝、37㎏

⑫葛野 琉静(くずの りゅうせい) 
みゆきフェニックス
右投げ、左打ち 
157㎝、67㎏

⑬榊 優真(さかき ゆうま) 
うらかわ野球少年団
右投げ、左打ち 
139㎝、30㎏

⑭福島 心(ふくしま しん) 
えりも新栄野球スポーツ少年団
右投げ、右打ち 
145㎝、35㎏

⑮畠山 粋月(はたけやま いつき) 
新冠野球スポーツ少年団
右投げ、左打ち 
146㎝、41㎏

全国大会までの足跡

2025北海道学童軟式野球都市対抗戦

日程:10月25、26日
会場:とましんスタジアムほか

◆代表決定戦

日高選抜
0301003=7
1012001=5
留萌選抜
(七回タイブレーク)
(日)岩間、長崎ー澤崎
(留)森光、永田、川崎ー砂原
▽三塁打:荒井(留)
▽二塁打:岩間、長崎(日)、永田、砂原(留)

◆準決勝

札幌選抜
11032=7
00010=1
日高選抜
(五回時間切れ)
(札)大浦、西ー松野
(日)岩間、竹内、海馬澤ー澤崎
▽二塁打:松野、清水口(札)

◆準々決勝

函館選抜
010000=1
000002=2
日高選抜
(函)土井ー篠村
(日)長崎、岩間、長崎ー澤崎

◆2回戦

オホーツク選抜
000000=0
01000x=1
日高選抜
(オ)廣瀬、畠山、西田ー佐藤
(日)岩間ー澤崎
▽二塁打:長崎、海馬澤(日)

◆1回戦

日高選抜
102001=4
00100x=1
千歳選抜
(日)竹内、長崎、竹内、長崎ー澤崎
(千)高橋、星、音羽ー青木
▽二塁打:長崎(日)

北海道学童軟式野球都市対抗戦・トーナメント表
北海道学童軟式野球都市対抗戦・トーナメント表

全国大会・トーナメント表

※全国大会の組み合わせ表を入手次第、後日掲載させていただきます。

初の全国大会出場を果たした日高選抜=(写真・チーム提供)
初の全国大会出場を果たした日高選抜=(写真・チーム提供)

協力:2025日高選抜チーム

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