「第22回青山杯(旧今泉杯)」に北海道代表として初出場
日高選抜、初の全国舞台へ! 苫小牧での激闘を経て佐賀へ挑む
12月20日に九州・佐賀県で開幕する「第22回青山杯(旧今泉杯)西日本友好学童軟式野球大会」に、北海道代表として日高選抜チームが初出場を果たす。
同大会には、西日本を中心に16チームが出場。昨年は北海道代表として千歳選抜が出場し、2回戦まで進出している。
今年は、激戦を勝ち抜いた日高選抜がその切符をつかみ、初の大舞台に挑む。北海道代表としての活躍に期待が高まる。
日高選抜は、10月25・26日の両日、苫小牧市で開催された「2025北海道学童軟式野球都市対抗戦」で快進撃を見せた。
初戦で昨年3位の千歳選抜を破ると、続く2回戦ではオホーツク選抜に1−0で勝利。準々決勝では函館選抜を2−1の接戦で下し、チーム初のベスト4進出を果たした。準決勝では優勝した札幌選抜に敗れたものの、代表決定戦では留萌選抜との激闘を(3)4−4(1)の七回タイブレークの末に制し、見事に初の全国切符を掴んだ。
日高選抜は12月19日に北海道を発ち、全国大会の開催地・佐賀県へ現地入りする予定。
藤井孝介監督は、「選手たちは本当に頑張ってくれた。過去一番の成績です。日高管内には9チームの少年団があり、6年生はわずか21人。その中から選ばれた16人がここまで頑張ってくれました。全国でも胸を張って、チーム一丸で挑んできます」と語り、初の全国舞台へ向けて意気込みを示した。



【1回戦】日高選抜 4−1 千歳選抜
大会初戦の相手は、昨年全道3位と実績十分の千歳選抜。緊張感の漂う立ち上がりとなったが、日高選抜は初回、いきなり主導権を握る。二死二塁のチャンスで、4番・長崎修太朗(みゆきフェニックス/6年)がセンター前へ放ち、先制点を奪った。
三回には9番・竹内穂生(JBC日高ブレイヴ/6年)がレフト前ヒットで出塁。犠打で一死二塁とすると、1番に返り、2番・澤崎真大(JBC日高ブレイヴ/6年)のセンター前ヒットに加え、相手守備の乱れも絡んで2者が生還。さらに六回には、5番・小田大獅(JBC日高ブレイヴ/6年)がセンター前へタイムリーを放ち、ダメ押しの1点を加えた。
投げては竹内、長崎修汰朗(みゆきフェニックス/6年)らがテンポ良く継投し、要所を締める投球。千歳打線を1点に抑え、4−1で快勝。緊張感の中にも勢いを感じさせる初戦突破となった。
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【2回戦】日高選抜 1−0 オホーツク選抜
この日はダブルヘッダー。強豪・帯広選抜を撃破し勢いに乗るオホーツク選抜との対戦となった。
日高のマウンドを託されたのは、今大会で安定感抜群の岩間椋平(えりも新栄野球スポーツ少年団/6年)。力強いストレートと丁寧なコーナーワークで打者を翻弄し、六回を投げ抜き被安打2、四球2、奪三振2の完封劇を演じた。
勝負を分けたのは二回。6番・松田灯真(うらかわ野球少年団/6年)が四球で出塁し、すかさず盗塁。犠打で一死三塁とし、8番・白川愛都(みゆきフェニックス/6年)がきっちりとスクイズを決めて先制。この1点を守り切り、1−0の完封勝利で準々決勝進出を果たした。
試合後、藤井孝介監督は「岩間の頑張りが大きかった。大会規定がイニング制限だったから六回を投げ切れたが、球数制限なら途中交代になっていた。紙一重の試合でした」と振り返る。また、「相手の廣瀬匡哉(紋別オホーツクイーグルス)、西田昴瑠(遠軽南ジャガー)らも本当に素晴らしい投手だった」と対戦相手を称えた。


【準々決勝】日高選抜 2−1 函館選抜
大会2日目の準々決勝は、体格とパワーに優れた函館選抜との一戦。
日高選抜は二回に先制を許し、追う展開となった。互いに粘り強い守備が続くなか、迎えた最終六回裏、ベンチの空気が一変する。
先頭の7番・互野朝陽(平取野球クラブ/6年)が右前打で出塁。続く打者が凡退し、一死一塁から牽制で挟まれるも、相手の送球が乱れ、互野は二塁へ進塁。土壇場でチャンスをつくる。
二死となった場面で、1番・澤崎真大(JBC日高ブレイヴ/6年)がセンター前へ鋭い打球を放つ。二塁走者の互野が本塁を狙うも、センターからの好返球で三本間に挟まれる。だが、このプレーでも相手守備が乱れ、打者走者の澤崎も二塁へ進み、二・三塁のチャンスが広がった。
ここで2番・高瀬健(みゆきフェニックス/6年)が初球を強振。高く舞い上がった打球に、ライトの函館・小野寺隼士(大中山野球スポーツ少年団/6年)がダイビングキャッチを試みるも、わずかに届かずライト前に落ちた。
三塁走者が同点のホームを踏み、さらに二塁走者の澤崎も快足を飛ばして一気に生還。劇的な逆転劇が完成した。
試合後、藤井孝介監督は「この試合が一番の山場だったかもしれません。選手たちが最後まで諦めず、粘り強く戦ってくれた」と語った。
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【準決勝】日高選抜 1−7 札幌選抜
準決勝の相手は、優勝候補・札幌選抜。過去の練習試合でも敗れており、雪辱を誓っての一戦となった。
先発は好調の岩間椋平。しかし札幌選抜の強力打線を相手に、初回・二回で1点ずつを失い、四回には3点、五回にも2点を追加される苦しい展開に。
それでも四回裏、3番・海馬澤來徳(みゆきフェニックス/6年)、4番・長崎修太朗、5番・小田大獅の三連打で無死満塁と攻め立てる。6番の犠飛は惜しくもセンター正面だったが、7番・互野朝陽が押し出し四球を選び1点を返した。反撃はここまでとなったが、選手たちは最後まで全力プレーを貫いた。
試合後、藤井監督は「この無様な負けで選手たちに喝を入れた。次の代表決定戦では必ず勝って全国へ行くと誓った」と話し、チーム全体で気持ちを一つにして次戦へ臨んだ。
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【代表決定戦】日高選抜(3)4−4(1)留萌選抜 ― 七回タイブレークを制す!
代表決定戦の相手は、今大会でも屈指の大型選手が揃う強打のチーム留萌選抜。
藤井孝介監督は「打力があり、一発のある選手が多いチーム。それだけにある程度、点は取られると覚悟していた。打ち勝つしかない!」と語り、チーム一丸で試合に臨んだ。
初回に1点を先制されるも、二回に日高選抜が反撃。連打で一気に3点を奪い逆転に成功する。四回にも1点を加えて4−1とリードを広げたが、その裏に2点を返され、試合は4−4の同点に。五回、六回は両軍譲らぬ攻防が続き、互いに無得点のまま六回を終了。大会規定により、七回から無死二・三塁のタイブレークに突入した。
先攻の日高選抜は、一死二・三塁の場面で2番・海馬澤來徳(みゆきフェニックス/6年)がセンター前へ鋭く弾き返し、三塁走者に続き二塁走者の白川愛都(みゆきフェニックス/6年)も一気に生還。さらに4番・長崎修汰朗(みゆきフェニックス/6年)がレフトオーバーのタイムリーを放ち、この回3点を先取した。
七回裏、反撃を試みる留萌選抜は、先頭の3番・砂原瑛太(羽幌フェニックス/6年)が死球で出塁し、無死満塁のチャンスを作る。1死後、5番・菅原蒼音(羽幌フェニックス/6年)の打球がレフトポール際へ高々と舞い上がる。審判は「ファウル」とジャッジしたが、留萌ベンチから「ホームランでは」との抗議が入り、審判団が協議。最終的に大会長・浦野和由氏の「ファウル」の裁定で再開された。
再開後、菅原が押し出し四球を選び1点を返す。2点差に詰め寄られたが、続く6番・土清水京(羽幌フェニックス/6年)の鋭い打球を三塁手・海馬澤が横っ飛びで好捕し、二死とする。最後の打者を三振に仕留め、日高選抜が見事タイブレークを制した。
死闘の末に勝利を手にし、日高選抜は悲願の全国大会出場を決めた。藤井監督は「最後まで諦めずに戦い抜いた選手たちを誇りに思う」と語り、日高管内から掴んだ全国への切符を噛み締めた。
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日高管内の小さな町から全国の舞台へ
9チーム・わずか21人の6年生しかいない日高管内から選ばれた、精鋭16人。
人数の少なさを嘆くことなく、互いを信じ、励まし合いながら積み上げてきた努力が、ついに実を結んだ。
その結束力と粘り強さでつかんだ、日高管内初の全国切符。
広い大地で育まれた負けん気と仲間への信頼を胸に、彼らは12月、佐賀の地で新たな歴史を刻もうとしている。
——「日高選抜」の挑戦が、いよいよ幕を開ける。
指導者・選手
指導者
▽監督
㉚藤井孝介(ふじい こうすけ)
えりも新栄野球スポーツ少年団
▽コーチ
㉙佐藤克光(さとう かつみ)
うらかわ野球少年団
㉘幌村克巳(ほろむら かつみ)
みゆきフェニックス
選手
⑩海馬澤 來徳(かいばざわ らいと)
みゆきフェニックス
右投げ、左打ち
154㎝、49㎏
⓪長崎 修汰朗(ながさき しゅうたろう)
みゆきフェニックス
右投げ、右打ち
155㎝、57㎏
①竹内 穂生(たけうち ほづき)
JBC日高ブレイヴ
右投げ、右打ち
159㎝、41㎏
②澤崎 真大(さわざき まひろ)
JBC日高ブレイヴ
右投げ、左打ち
152㎝、37㎏
③小田 大獅(おだ たいし)
JBC日高ブレイヴ
左投げ、左打ち
152㎝、48㎏
④白川 愛都(しらかわ まなと)
みゆきフェニックス
右投げ、右打ち
164㎝、46㎏
⑤高瀬 健(たかせ たける)
みゆきフェニックス
右投げ、左打ち
148㎝、39㎏
⑥松田 灯真(まつだ とうま)
うらかわ野球少年団
右投げ、左打ち
152㎝、40㎏
⑦石居 秀一(いしい ひでかず)
うらかわ野球少年団
右投げ、右打ち
165㎝、76㎏
⑧岩間 椋平(いわま りょうへい)
えりも新栄野球スポーツ少年団
右投げ、右打ち
157㎝、52㎏
⑨互野 朝陽(たがい の あさひ)
日高・平取野球クラブ
右投げ、右打ち
155㎝、43㎏
⑪中野 実結(なかの みゆ)
えりも新栄野球スポーツ少年団
右投げ、右打ち
145㎝、37㎏
⑫葛野 琉静(くずの りゅうせい)
みゆきフェニックス
右投げ、左打ち
157㎝、67㎏
⑬榊 優真(さかき ゆうま)
うらかわ野球少年団
右投げ、左打ち
139㎝、30㎏
⑭福島 心(ふくしま しん)
えりも新栄野球スポーツ少年団
右投げ、右打ち
145㎝、35㎏
⑮畠山 粋月(はたけやま いつき)
新冠野球スポーツ少年団
右投げ、左打ち
146㎝、41㎏
全国大会までの足跡
2025北海道学童軟式野球都市対抗戦
日程:10月25、26日
会場:とましんスタジアムほか
◆代表決定戦
〇 (3)4-4(1) 留萌選抜
日高選抜
0301003=7
1012001=5
留萌選抜
(七回タイブレーク)
(日)岩間、長崎ー澤崎
(留)森光、永田、川崎ー砂原
▽三塁打:荒井(留)
▽二塁打:岩間、長崎(日)、永田、砂原(留)
◆準決勝
● 1-7 札幌選抜
札幌選抜
11032=7
00010=1
日高選抜
(五回時間切れ)
(札)大浦、西ー松野
(日)岩間、竹内、海馬澤ー澤崎
▽二塁打:松野、清水口(札)
◆準々決勝
〇 2-1 函館選抜
函館選抜
010000=1
000002=2
日高選抜
(函)土井ー篠村
(日)長崎、岩間、長崎ー澤崎
◆2回戦
〇 1-0 オホーツク選抜
オホーツク選抜
000000=0
01000x=1
日高選抜
(オ)廣瀬、畠山、西田ー佐藤
(日)岩間ー澤崎
▽二塁打:長崎、海馬澤(日)
◆1回戦
〇 4-1 千歳選抜
日高選抜
102001=4
00100x=1
千歳選抜
(日)竹内、長崎、竹内、長崎ー澤崎
(千)高橋、星、音羽ー青木
▽二塁打:長崎(日)

全国大会・トーナメント表
※全国大会の組み合わせ表を入手次第、後日掲載させていただきます。
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協力:2025日高選抜チーム
