わずか“1点の壁”に涙
九州・佐賀県で開催中の「第22回青山杯(旧今泉杯)西日本友好学童軟式野球大会」に、北海道代表として初出場した日高選抜が12月20日、堂々の2連勝を挙げながら、わずか1点の“得失点差”で決勝トーナメント進出を逃した。
初戦から攻撃力を存分に発揮し、第2試合では代打本塁打や粘りの継投も冴えたが、特別ルールの壁は厚かった。それでも藤井監督は「2試合とも予想以上の戦いを見せてくれた。全国で2勝は誇り」と語り、選手たちに次のステージへ向けた期待を込めた。
2連勝で全国へ存在感 しかし届かなかった“あと1点”
九州・佐賀県を舞台に行われた「第22回青山杯(旧今泉杯)西日本友好学童軟式野球大会」。
初出場となる日高選抜は、リーグ戦を2連勝で駆け抜けながら、得失点差わずか1点で決勝トーナメント進出を逃すという、最も悔しい形で大会を終えた。
藤井監督は、試合後の胸中をこう語った。
「二連勝して決勝トーナメントに出れなかったのが今でも悔しいです。もう2、3点取らせて選手に決勝リーグに行かせてあげたかった」
チームは勝利を重ねながらも、特別ルールの“得失点差”が明暗を分ける結果となった。
リーグ戦・第1試合 岡山ヤングス(福岡県)を快勝で撃破
難しいと言われる初戦で、日高選抜が躍動した。
初回、1番・澤崎真大(JBC日高ブレイヴ/6年)が四球から積極的に二盗を決め、2番・海場澤來徳(みゆきフェニックス/6年)のレフト前で一、三塁。海馬澤も二盗を決めて作った無死二、三塁の好機で、3番・小田大獅(JBC日高ブレイヴ/6年)が左中間へ2点タイムリー。
さらにバッテリーミスも絡んで、この回一挙4点を奪った。
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四回には代打・石居秀一(うらかわ野球少年団/6年)が死球で出塁すると、二死から澤崎が左中間を破るランニング2点本塁打。五回にも敵失につけ込み2点を追加し、終始主導権を握った。
投げては竹内穂生(JBC日高ブレイヴ/6年)が三回を無安打1四球3奪三振の好投。松田灯真(うらかわ野球少年団/6年)も落ち着いた投球で勝利に貢献した。
初戦を勝ち切ったことで、選手たちも手応えをつかみ、次戦へ向けて高い士気を見せていた。
◆第1試合(20日、鎮西スポーツセンター総合運動場)
日高選抜(北海道)9-1岡山ヤングス(福岡県)
日高選抜
40023=9
00010=1
岡山ヤングス
(五回コールドゲーム)
(日)竹内、松田ー澤崎
(岡)岩部、藤木、大塚、豊永ー豊永、大塚
▽本塁打:澤崎RH(日)
▽三塁打:小田(日)
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リーグ戦・第2試合 澤崎の3ラン、白川の代打弾 勢いそのまま2連勝
勢いに乗った第2試合では、またしても1番・澤崎が魅せた。
0–0の三回、無死二、三塁から放ったランニング3点本塁打で先制。ベンチは大きな歓声に包まれた。
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さらに四回には、一死一塁の場面で代打・白川愛都(みゆきフェニックス/6年)が痛烈なランニング2点本塁打。第1試合に続き、この試合2本目のランニング本塁打となり、チームは一気に4点を追加した。
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投げては岩間椋平(えりも新栄野球スポーツ少年団/6年)が三回2/3を1失点とゲームを作り、長崎修汰朗(みゆきフェニックス/6年)が六回まで安定した投球で試合を締めた。
藤井監督は選手の“入りの良さ”をこう語る。
「1回~3回までに5点取ってこいと伝えました。選手たちが積極的に応えてくれました」
そして印象に残ったプレーとして、こう続けた。
「白川のランニング本塁打です。前日から発熱し、1試合目は欠場でしたが、代打で期待に応えてくれました」
2連勝という完璧な形でリーグ戦を終えたが、待っていた結果は“まさか”だった。
◆第2試合(20日、鎮西スポーツセンター総合運動場)
日高選抜(北海道)7-1上場RED(佐賀県唐津市)
上場レッド
000100=1
00340x=7
日高選抜
(日)岩間、長崎ー澤崎
(岡)山口、河上、井上、古川ー中村
▽本塁打:澤崎RH、白川RH(日)
▽二塁打:中村(上)
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「全国で2勝できたことを誇りに」──藤井監督の言葉
2試合の内容は攻守ともに申し分なく、藤井監督もこう評価する。
「打撃は予想以上の点数を取り、投手陣も2試合で失点2とよく頑張ってくれました」
しかし得失点差という厳しい現実に、選手たちは肩を落とした。
それでも監督は、選手たちに誇らしげな言葉を送る。
「日高選抜として全国で2勝して最高成績で終われたことを誇りに思う。次のステージでも頑張ってほしい」
北海道から遠く九州の地へ挑んだ子どもたちは、
悔しさとともに大きな成長を手にし、学童野球最後の舞台を力強く駆け抜けた。


協力:2025日高選抜チーム
