恵庭市を拠点に活動する学童野球チーム・柏ホエールズへ3月25日、チーム訪問に伺った。47年の歴史を誇る同チームは、代々受け継がれてきたホームグラウンドと育成理念を礎に、近年はクラス分けによる育成システムを確立。選手一人ひとりの成長に寄り添いながら、全国を見据えたチームづくりを進めている。高田晃季監督(33)に、チームの歩みや指導方針、そして今季の展望を聞いた。さらに、今年2月に宮城県で行われた北海道・東北学童大会では北海道代表として出場し、堂々の3位入賞を果たした。現在、チームでは新たな団員も募集しており、さらなる飛躍へ向けて新しい力を求めている。
歴史が刻まれたホームグラウンドと地域の支え
柏ホエールズの創設は約47年前。現在のホームグラウンドは、かつて何もなかった土地を整備して作られたもので、長年チームを支えてきた押見氏の尽力がその礎となっている。
両翼約65メートル、センターは80メートル近くと、学童としては広いフィールドを有し、外野守備の重要性を意識した環境が整っているのも特徴だ。
冬季は体育館練習を中心に、市内施設や近隣地域への遠征を組み合わせながら実戦機会を確保。限られた環境の中でも工夫を凝らし、通年で技術向上に取り組んでいる。

3クラス制で実現する「個に寄り添う育成」
高田監督が就任後に着手したのが、A(アドバンス)・C(チャレンジ)・K(キッズ)の3クラス制だ。
学年一律の指導ではなく、選手のレベルや目的に応じた育成を行うことで、練習量や質のばらつきを解消。
「一人ひとりに合った指導をしたい」という想いから導入され、現在ではチームの基盤となっている。
特にキッズクラスは未就学児から受け入れ、野球の入口を広げる役割を担う。そこから継続してチームに所属する選手も多く、育成の流れが確立されつつある。
また、冬には親子を交えた面談も実施。選手・保護者・指導者が同じ方向を向いて歩む体制が整っている点も特徴だ。
<団員募集中>
現在、チームでは新たな団員を募集しています。野球をこれから始めたい初心者から、さらなるレベルアップを目指す経験者まで、幅広く受け入れています。A(アドバンス)・C(チャレンジ)・K(キッズ)の3クラス制により、一人ひとりの成長段階や目的に応じた指導が受けられる環境が整っています。体験参加も可能ですので、ぜひ一度グラウンドに足を運び、チームの雰囲気を感じてみてください。
※なお、当チームはクラブチームではないため、入団は恵庭市内在住の方に限られております。

「野球人として育てる」指導の本質
高田監督が最も重視するのは、技術だけでなく人としての成長だ。
「野球人として育ってほしい」という言葉に込められているのは、礼儀や姿勢、日常生活での振る舞いまで含めた人間形成。
グラウンド内外での行動一つひとつに意識を向けることで、「野球をやっている子は違う」と感じてもらえる存在を目指している。
チームにはやんちゃで活発な子どもも多いが、頭ごなしに抑えるのではなく、主体性を尊重しながら方向付ける指導を実践。
その結果、自然と挨拶や行動に良い変化が現れている。

守備力を軸に全国を見据える新チーム
今季のレギュラーチームは、昨年大きな大会で結果を残しながらも「優勝」に届かなかった経験を糧に、次のステージを見据える。
目標は「マック出場」から「マックで勝つ」へ。
チームの中心はキャプテン・大野湊助(新6年)。
捕手を軸に投手・遊撃もこなすユーティリティ性を持ち、強肩で盗塁を許さない守備は大きな武器となっている。
投手陣は福田叶夢(新6年)、櫛引皇汰(新6年)を軸に、大野、藤堂晴琉(新6年)、山口修平(新6年)ら複数枚で形成。
試合を壊さない制球力と役割分担で、継投によるゲームメイクが可能だ。
また今季は特に外野守備の強化に注力。
センター三浦瑠馬(新6年)らを中心に守備範囲と球際の強さを磨き、「1点を守り切る野球」を目指している。

キャッチボール徹底が生んだ確かな成長
冬季のテーマは「キャッチボールの再構築」。
16メートルの距離で全員が投手の意識を持ち、コース・クイック・緩急を取り入れた練習を徹底した。
この取り組みにより送球の安定感が向上し、内外野の守備力に波及。
基礎の見直しがチーム全体の底上げにつながっている。
攻撃面では、全員が走力を備え、下位打線からでも得点できる機動力野球を展開。
「ツーアウトからでも点が取れる」粘り強さが今季の強みだ。
合宿で見えた現在地と手応え
3月の函館遠征では強豪相手に1勝1敗。
接戦を演じたことで、冬の成果と現在地を確認することができた。
「この時期としてはいい試合ができた」と手応えを感じる一方、さらなる成長への課題も明確に。
いよいよ本格化するシーズンへ向け、チームは着実に歩みを進めている。

声と背中で導く主将――大野湊助が描く“応援されるチーム”への道
今季の主将を務める大野湊助(新6年)は、捕手を中心に投手、遊撃もこなすチームの要。プレーと声の両面でチームを引っ張りながら、「応援されるチーム」と全国出場という目標に向かって歩みを進めている。
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憧れの主将から学んだ“声で引っ張る力”
大野湊助が主将として意識しているのは「声」でチームを動かすことだ。
きっかけは、昨年のマクドナルド・トーナメント出場時に見た東16丁目フリッパーズの丹場泰生・前主将の存在だった。
「日常から声を出すことを意識して、声でチームを引っ張るようにしています」
もともと自分から言葉を発するのは得意ではないという。それでも憧れの存在に近づこうと、日々の練習から意識して取り組む姿勢が、主将としての責任感を物語る。
“つながり”が生む強さ――今年のチームの武器
大野湊助が感じる今季チームの最大の強みは「つながり」だ。
「ツーアウトからでも打線がつながって、点が取れるところです」
どこからでも得点できる粘り強さは、技術面だけでなくチームとしての一体感の表れでもある。
また、雰囲気の面でも「全員が声を出せるわけではないが、それぞれが自分のできる形で声を出している」と語り、個々の役割を認め合うチームづくりが進んでいることがうかがえる。
プレーで示す主将像とその先の目標
捕手、投手、遊撃と複数ポジションをこなす大野湊助の強みは、広い守備範囲と安定した守備力だ。
「1つ上の先輩たちにも負けない守備力が強みです」と自信を覗かせた。
主将としては「言葉よりプレーで引っ張るタイプ」と自己分析。
背中で示すリーダーシップでチームを牽引する。
チームとしての目標は「マックで全国出場」。
さらに個人としては、ファイターズジュニア入りを掲げる。
支えてくれた仲間や周囲への感謝を胸に、大野湊助は次のステージを見据えている。
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大野 湊助(おおの そうすけ)
柏ホエールズ所属/新6年
右投げ、左打ち
149センチ、39キロ
恵庭市を拠点とする柏ホエールズの主将。捕手を中心に投手、遊撃もこなすユーティリティプレーヤーで、広い守備範囲と安定した守備力が持ち味。昨年の全国大会出場経験を糧に、今季は主将としてチームを牽引。「応援されるチーム」を掲げ、マクドナルド・トーナメント全国出場を目標に掲げる。もう一つの目標はファイターズジュニア入り。
攻守で流れをつなぐ2番打者――櫛引皇汰、冷静さが光る内野の要
今季の主力として期待される櫛引皇汰(新6年)は、主に遊撃手として守備の要を担い、打っては2番でチームの流れをつなぐ存在だ。冷静な判断力と堅実なプレーで、攻守にわたりチームを支えている。
3歳からバットを握った野球人生
櫛引が野球を始めたのは3歳、年中の頃。父の影響でバットを握り、小学1年から本格的にチームへ所属した。
これまで札幌市内のチームで経験を積み、今年1月に柏ホエールズへ加入。新たな環境の中でも着実に存在感を高めている。
ショートで光る冷静な判断力と技術
主戦場は遊撃手。守備で意識しているのは「前に出て勢いをつけて投げること」だ。
「ファーストまで距離があるので、しっかり前に出てから送球することを意識しています」
さらに自身の強みについては、「バウンドを合わせること」と語る。
無理に捕球にいくのではなく、タイミングの合うポイントで確実にさばく冷静さが持ち味だ。
ピンチの場面でも慌てることはない。
「点を取られないことを優先して、落ち着いて判断する」と話し、状況に応じて本塁か一塁かを見極める判断力も備える。
2番打者として“流れをつなぐ役割”
打順は2番。役割は明確だ。
「流れを崩さず、つなぐことを意識しています」
1番の大野湊助が出塁した場面では、その流れを切らさない打撃を心がける。
状況に応じて進塁打や確実性を重視した打撃も求められる中、チームバッティングを体現する存在だ。
投手としても登板し、持ち味は安定したコントロール。
四球で崩れることが少なく、試合を作る力も持ち合わせている。
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櫛引 皇汰(くしびき こうた)
柏ホエールズ所属/新6年
右投げ、左打ち
146センチ、30キロ
3歳から野球を始め、小学1年より本格的にチームに所属。今年1月に柏ホエールズへ加入。主に遊撃手としてプレーし、バウンドを合わせる確実な守備と冷静な判断力が持ち味。打っては2番打者としてチームの流れをつなぐ役割を担うほか、投手としても安定した制球力を発揮する攻守のキーマン。
球際に懸ける執念――三浦瑠馬、センターで守備を支える存在
今季、外野の要として期待される三浦瑠馬(新6年)は、センターを主戦場に守備でチームを支える存在だ。最後までボールに食らいつく姿勢と冷静な判断力で、勝敗を左右するプレーを担うキーマンとなっている。
兄の背中を追いかけて始まった野球人生
三浦が野球を始めたきっかけは、4歳上の兄の存在だった。
「兄が野球をやっていて、それに憧れて始めました」
小学1年の冬から本格的に野球に取り組み、現在は5人兄弟の中で切磋琢磨しながら成長を続けている。7人家族の中で育まれた明るさとたくましさも、プレーの土台となっている。
“最後まで追う”センター守備の信念
センターとして意識しているのは、シンプルだが重要なことだ。
「最後までボールを見て、食らいつくことです」と球際の執着を語る。
打球への反応だけでなく、配球や打者の傾向を考えながらポジショニングも調整。
さらにピンチの場面では「捕ってから素早く握り替えて、強い送球をすること」を意識しているという。
日頃の練習の積み重ねにより、冷静な判断と安定したプレーを発揮。
守備で流れを引き寄せる存在として信頼を集めている。
守備へのこだわりと攻守での成長意欲
チーム全体として守備を重視する中、三浦もその意識を体現する一人だ。
「みんなでボールをしっかり見て、思い切って飛びついています」
その姿勢はチーム全体に浸透し、粘り強い守備へとつながっている。
個人としては「ホームランを打ちたい」という目標を掲げる一方、
「試合で貢献し、エラーをしないこと」を重視。
攻守両面でチームに貢献できる選手を目指し、「打てて守れる選手になりたい」と力強く語った。
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三浦 瑠馬(みうら るま)
柏ホエールズ所属/新6年
右投げ、右打ち
145センチ、44キロ
4歳上の兄の影響で小学1年冬から野球を始める。センターを主戦場とし、最後までボールに食らいつく守備と冷静な判断力が持ち味。配球を読みながらポジショニングを調整し、ピンチでも落ち着いたプレーを見せる外野の要。攻守両面でチームに貢献できる選手を目指している。
状況を見極める主軸打者――福田叶夢、勝負強さで得点を呼び込む
今季、攻撃の中心として期待される福田叶夢(新6年)は、主に3番を任される主軸打者であり、投手としてもチームを支える存在だ。状況に応じた打撃と長打力を兼ね備え、得点を生み出すキーマンとして大きな役割を担っている。
「自分でやりたい」から始まった野球人生
福田が野球を始めたのは小学1年生。家族の影響というよりも、自ら「やりたい」と思ったのがきっかけだった。
テレビでプロ野球を観る中で憧れたのは、投手・山本由伸(現・ロサンゼルスドジャーズ)。
その姿に影響を受け、自然と野球の世界へと踏み出した。
現在は母と弟との3人家族。限られた環境の中でも、野球に真っ直ぐ向き合い続けている。
状況に応じた打撃と思考力
打席で最も大切にしているのは「打ちたい気持ちを抑えること」だという。
「しっかりコースを見分けて、逆らわずに打つことを意識しています」
チーム練習だけでなく、自主練習でも同様の意識を徹底。
感覚ではなく“考えて打つ”打撃スタイルを確立している。
チャンスの場面ではさらに意識を変える。
「ヒットだけでなく、進塁打でもいいので点を取ることを優先する」
状況に応じて一、二塁間を狙うなど、役割を理解した打撃ができる点も大きな強みだ。
長打力と責任感――3番打者の覚悟
福田のもう一つの武器が長打力だ。
これまで柵越え本塁打を複数放つなど、チーム屈指のパンチ力を誇る。
それでも自身の役割については冷静に捉えている。
「1、2番が出たら返す。出なかったら自分がチャンスをつくる」
3番打者としての責任を理解し、チームの得点に直結するプレーを意識している。
投手としてマウンドに立つ際も、「感情を出さず、冷静に投げる」ことをテーマに掲げるなど、精神面の成長も感じさせる。
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福田叶夢(ふくだ かなと)
柏ホエールズ所属/新6年
右投げ、右打ち
150センチ・46キロ
小学1年から野球を始めた主軸打者。状況に応じた打撃と優れた長打力を兼ね備え、主に3番としてチームの得点源を担う。コースに逆らわない打撃と高い状況判断力が持ち味。投手としても冷静なマウンドさばきを見せ、攻守両面でチームを支えるキープレーヤー。
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協力:柏ホエールズ
