二塁打4本で10得点も笹谷監督は猛ゲキ「勝利しても褒められた試合ではない」 全国制覇への覚悟を説き、大阪の強豪・新家スターズ戦へ
和歌山県高野町で開催中の第31回高野山旗全国学童軟式野球大会で7月26日、北海道代表・東16丁目フリッパーズは初戦となる2回戦で大分県代表・駅館スポーツ少年団と対戦し、10-3の五回コールドゲームで快勝した。初回に3点、二回にも2点を加えて主導権を握ると、三回に3点を返された直後の四回には二塁打4本を絡めた猛攻で一挙5得点。五回コールドで3回戦進出を決めた。しかし試合後、笹谷武志監督が口にしたのは勝利を喜ぶ言葉ではなく、全国制覇を目指すチームへの厳しいメッセージだった。
イニングスコア
◆2回戦(26日、高野山高校グラウンド)
東16丁目フリッパーズ(北海道)10-3駅館スポーツ少年団(大分県)
駅館スポーツ少年団
00300=3
3205x=10
東16丁目フリッパーズ
(五回コールドゲーム)
(駅)安部ー宇留島
(東)高野、池田ー中本
▽本塁打:安倍(駅)
▽三塁打:宇留島(駅)
▽二塁打:市橋、池田、佐藤、高塚(東)

初回から主導権 三回の反撃直後に一挙5得点
東16丁目フリッパーズは初回から打線がつながり3点を先制。二回にも2点を加え、5-0と試合の主導権を握った。
三回、駅館スポーツ少年団は本塁打や三塁打を絡めて3点を返し、5-3と追い上げる。それでも東16丁目フリッパーズは流れを渡さなかった。
四回には再び打線が爆発。市橋、池田、佐藤、高塚の4本の二塁打を軸に一挙5得点を奪い、10-3と突き放して五回コールドゲームで勝利を収めた。


「勝利しても褒められた試合ではない」 笹谷監督が試合後に喝
快勝にもかかわらず、試合後の笹谷武志監督の表情は険しかった。
「全国大会・初戦で勝利したのに、だいぶ喝を入れました。ミスが多かった。守備、攻撃、特に記録に残らない走塁のミスが多かった」
さらに投手陣についても厳しく評価した。
「投手も勝負球が甘く入り、2ストライクと追い込んでから打たれたりと、勝利していながら決して褒められた試合ではなかった。試合後のミーティングでも、だいぶ喝を入れました」
その言葉の裏には、全国制覇を本気で目指すチームだからこその責任と覚悟を求める思いがある。

給水タイムで伝えた「ここから新しい試合」
三回終了時点で5-3。
2点差となって迎えた給水タイムで、笹谷監督は選手たちを集めた。
「ここからは新しい試合が始まったと思い、気を引き締めてやりなさい」
その言葉どおり、東16丁目フリッパーズは直後の四回に5得点を挙げて試合を決定づけた。
それでも指揮官の評価は甘くない。
「後半も攻撃では取り切れていない、守り切れていない。そんな点がありました」
「子どもたちには勝利して安堵するのではなく、次戦をにらむのであれば、全国制覇を狙うのであれば、ちょっと違うよね、と話しました」

「小学生は一日で変われる」 全国制覇への覚悟を求める
笹谷監督が繰り返したのは、勝ったことではなく「次へ向かう姿勢」だった。
「小学生は一日で変われる。全国制覇を絶対成し遂げるんだという、言ったことに責任と覚悟を持って、明日の朝、目の色を変えて臨んでくれることに期待しています」
さらに、全国大会ならではの厳しさも口にした。
「全国大会の厳しいトーナメントは負けたら終わりの世界。この正念場を乗り越えないと目標にはたどり着けない」
次戦は大阪の強豪・新家スターズ 勝機は「覚悟と勇気」
試合後に行われた抽選で、東16丁目フリッパーズの3回戦は27日第1試合、大阪府代表・新家スターズとの対戦が決まった。
全国屈指の強豪との一戦を前に、笹谷監督は勝機についてこう語った。
「まずは子どもたちが本気の覚悟と信じる勇気を持つこと。これが大前提です。戦略的には自分たちの持ち味を最大限生かし、不得意な点は最低限にとどめることができれば、これでようやく勝負できるレベル」
そして最後に、静かに力を込めた。
「しっかりやってくれれば勝機はある」
全国制覇を目指す東16丁目フリッパーズにとって、本当の勝負はここから始まる。
協力:東16丁目フリッパーズ
