七回二死から執念の同点劇もサヨナラ負け 大坂監督「猛暑の中、選手たちは頑張っていた」初出場の全国舞台で刻んだ確かな一歩
京都府などで開催中の「第11回全日本中学女子軟式野球大会(SPトーナメント)」に北海道代表として初出場したJBC HOKKAIDOは22日、亀岡運動公園野球場で高知県代表の高知家ガールズと2回戦で対戦した。三回に先制しながら追いつかれ、六回に勝ち越しを許す苦しい展開。それでも1-2で迎えた最終七回、代打・西崎来胡(あかつき少年野球部出身/3年)の内野安打を起点に、代走・眞田みのり(倶知安グランツ出身/2年)が二死から本塁を陥れ、土壇場で同点に追いついた。勝負は無死一、二塁から始まる八回タイブレークへ。JBC HOKKAIDOは表の攻撃を無得点に抑えられると、その裏、送りバントをめぐるプレーから決勝点を許し2-3でサヨナラ負け。全国2勝目には届かなかった。それでも35度を超える猛暑の中、最後の一球まで食らいついた選手たちは、初出場で全国初勝利を挙げるとともに、全国の強豪と互角に渡り合った確かな足跡を残した。
◆2回戦(22日、亀岡運動公園野球場)
JBC HOKKAIDO(北海道)(0)2-2(1)高知家ガールズ(高知県)
JBC HOKKAIDO
00100010=2
00100101=3
高知家ガールズ
(八回タイブレーク)
(H)山下、新名ー岡村
(高)堀川、山口、田中ー安岡
▽二塁打:新名(H)、中越(高)
先制はJBC 高橋、荒井がつないだ三回
序盤は互いに譲らなかった。
0-0で迎えた三回、JBC HOKKAIDOが先に試合を動かす。
先頭の9番・高橋美乃(北郷サラブレッツ出身/2年)が中前打で出塁。続く1番・荒井紬希(富原ドルフィンズ出身/3年)も右前打でつなぎ、無死一、二塁とした。
ここで2番・佐々木寧音(大曲ファイターズ出身/3年)がきっちり犠打を決め、一死二、三塁。相手バッテリーにプレッシャーをかけると、バッテリーミスの間に三走・高橋が生還した。
下位打線から上位へつなぎ、犠打で進め、相手の隙を逃さない。
JBC HOKKAIDOらしい攻撃で貴重な先制点をもぎ取った。
しかし、その裏。二死から四球で走者を許し、二盗で得点圏へ進まれると、内野ゴロをめぐる送球ミスから走者が生還。すぐさま1-1と振り出しに戻された。


六回に勝ち越し許す それでも試合を手放さない
その後は両チームの投手陣が踏ん張り、1-1のまま試合は終盤へ入った。
均衡が破れたのは六回裏だった。
JBC HOKKAIDOは守備のミスも絡んで1点を失い、1-2。終盤で初めてリードを許した。
あと攻撃は一度。
全国大会の2回戦。1点を追う最終七回――。
それでもJBC HOKKAIDOは、ここから粘った。

代打・西崎が突破口 代走・眞田が土壇場で生還
七回表、先頭の6番・林紗良(JBC札幌出身/3年)に代わって打席へ送られたのは、代打・西崎来胡(あかつき少年野球部出身/3年)。
その西崎が内野安打で出塁する。
ベンチの起用に一打で応え、反撃の扉を開いた。
ここで代走・眞田みのり(倶知安グランツ出身/2年)が送られると、バッテリーミスを見逃さず二塁へ進む。
しかし、後続二人が倒れて二死。
追い込まれた。
それでも9番・高橋が四球を選び、二死一、三塁。ここで一走・高橋が二盗を仕掛ける。その間に三走・眞田が本塁へ。
生還――。
2-2。
あとアウト一つで敗戦というところから、JBC HOKKAIDOが試合を振り出しに戻した。
その裏の守備も無失点で切り抜け、勝負は大会規定によるタイブレークへ持ち込まれた。
八回、勝ち越しの好機つくるも届かず
無死一、二塁から始まった八回表。
JBC HOKKAIDOは送りバントを決め、一死二、三塁。
絶好の勝ち越し機をつくった。
打席には3番・新名乃々花(末広・近文合同チーム出身/3年)。しかし打球は内野へ転がり、三走が本塁を狙う過程で挟まれタッチアウト。続く打者も打ち取られ、勝ち越し点を奪うことはできなかった。
そして八回裏。
高知家ガールズも無死一、二塁から送りバントを試みる。
JBC HOKKAIDOはこの打球を処理する中でフィルダースチョイスとなり、さらに送球エラーが重なった。その間に二塁走者が一気に本塁へ。
2-3。
一瞬のプレーで決着がついた。
JBC HOKKAIDOの全国2勝目への挑戦は、八回タイブレークの末に幕を閉じた。

大坂監督「相手投手1人にやられてしまった」
試合後、大坂聡監督は敗戦を真正面から受け止めた。
「客観的に見て総合力ではこちらが上なのは明らかでしたが、相手投手1人にやられてしまったのが全てだと思います。そこをなんとかできなかったのが監督としての力の無さだと痛感しています」
試合は三回に先制しながら追いつかれ、六回に勝ち越しを許した。それでも七回、土壇場で2-2に追いついた。
指揮官が悔やんだのは、その先だった。
「最終回に追いつきはしましたが、あそこで逆転まで持ち込まなければなりませんでした」
同点に追いついた粘りを評価するだけでは終わらない。
勝つためには、好機で一気に試合を決め切る力が必要だった――。全国の舞台だからこそ突きつけられた課題を、大坂監督は自らの責任として受け止めた。


35度超の猛暑 「ミスが出るのも仕方のないこと」
一方で、大坂監督が選手たちのミスを責めることはなかった。
「猛暑の中選手たちは頑張っていました。あんな中でミスが出るのも仕方のないことです」
大会期間中は厳しい暑さとの戦いでもあった。
35度を超える環境の中で戦い続ける選手たちを支えたのが、遠征に同行した保護者だったという。
「今回、保護者は遠征にあたり、熱中症対策や食事のことなど最大限のフォローをしてくれていました。大変感謝しています。それもあり、35℃以上の中でも誰1人として倒れることなく戦い抜けたと思います」
選手だけで戦った全国大会ではない。
体調管理、食事、熱中症対策――。グラウンドの外から支え続けた家族の力もあって、JBC HOKKAIDOは最後まで戦い抜くことができた。


全国初勝利、そして全国2勝目まであと一歩
初出場となった全日本中学女子軟式野球大会。
初戦では愛媛県代表・マドンナジュニア愛媛を9-3で破り、記念すべき全中女子初勝利をつかんだ。
そして2回戦では、高知家ガールズを相手に七回二死まで追い詰められながら同点に追いつき、タイブレークまで持ち込んだ。
結果は2-3。
スコアだけを見れば、わずか1点差の敗戦だ。
だが、北海道から全国へ挑み、初勝利を挙げ、次戦でも最後まで勝敗の行方が分からない戦いを演じた経験は大きい。
代打で結果を残した西崎。代走として土壇場の同点ホームを踏んだ眞田。三回の先制点につなげた高橋、荒井、佐々木。そして厳しい暑さの中、マウンドをつないだ山下紬(西部ホワイトファング出身/3年)と新名。
一人ひとりが、それぞれの役割を背負って全国の一戦を戦った。
あと一歩だった。
だからこそ、この一歩の重みを選手たちは知ることができた。
全国初出場、全国初勝利。そしてタイブレークまでもつれた2回戦。
JBC HOKKAIDOの最初の全中女子への挑戦は悔しさとともに終わったが、北海道の女子野球が全国で戦えることを示した二日間でもあった。

協力:JBC HOKKAIDO
