
南北海道代表として挑んだ東16丁目フリッパーズは15日、新潟・HARD OFF ECOスタジアムでの高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント3回戦で滋賀県の名門・多賀少年野球クラブと対戦。初回にまさかの5失点を喫し、反撃も六回の1点にとどまり1-6で敗戦。全国屈指の強豪を前に力を出し切ったが、悲願のベスト8進出はあと一歩届かなかった。
初回の攻防がすべて
試合は一回、一死から舘洞海生(6年)がセンターオーバーの二塁打でチャンスを作るも無得点。直後の守りで内野の送球ミス、続く内野安打、そして再びの内野ミスが重なり、あっという間に1失点。さらには満塁のピンチから痛打を浴びた。
「初回の攻防がすべて。こっちのミスを畳みかけられた」と笹谷武志監督。
6番にセンター前タイムリー、7番にライトオーバー2点打、さらに内野ゴロの間にも失点し、この回だけで5点を献上した。

雨中断の中でも粘り
新潟地方はこの日、局地的な大雨に見舞われ、この試合も二度の中断があった。二度目の中断時、笹谷監督は「ここで6-0、7-1、8-2というゲームをしよう」と選手に喝を入れたという。
その言葉通り、川口琉輝(6年)と西山宗汰郎(6年)の継投で二回以降は立て直し、四回の無死満塁も1点に抑えた。五回には片岡叡大郎(6年)が右翼前安打で出塁し二死満塁と攻め立てたが、あと一本が出ず。
六回には4番・徳田隆之介(6年)の二塁打から二死二塁とし、片岡がセンターオーバーの適時二塁打で意地の1点を奪ったものの、反撃はここまでだった。


涙が証明した“本気の覚悟”
試合後、選手たちの多くは大粒の涙を流した。笹谷監督は「今まで生きてきて、これほど夢中になり必死にやったのに掴めなかった悔しさ──それは本気で覚悟して戦った証の涙です」と選手たちをねぎらった。
7年前にも多賀少年野球クラブと対戦し、3-4でサヨナラ負けを喫した苦い記憶がよぎったという。「今度はうちが、と思ったが力がなかった」。それでも全国の舞台での戦いを経て、監督の胸に芽生えた思いは確かだ。
「一年間、本気で取り組むことは本当に大変。半端な気持ちではできない。全国制覇を狙うには組織力、指導力、選手の意識…もっと変えていかなければならない。身近で長曽根ストロングスを見て、強くそう感じました」
この悔しさを糧に、東16丁目フリッパーズは再び全国の舞台を目指す。6年生は17日に帰道し、20日と21日にエスコンフィールド北海道で行われるビッグタイトル「FBC U-12」に臨む。
イニングスコア
◆3回戦(15日、HARD OFF ECOスタジアム新潟)
東16丁目フリッパーズ(北海道南)1-6多賀少年野球クラブ(滋賀県)
東16丁目フリッパーズ
000001=1
50010x=6
多賀少年野球クラブ
(東)川口、西山ー徳田
(多)岡本ー大橋
▽二塁打:舘洞(東)
フォトグラフ






全日本学童トーナメント


協力:東16丁目フリッパーズ