余市強い子、全国の地で示した成長の証――初戦快勝、強豪・兵庫に挑んだ勇姿
埼玉県で開催中の「第2回年中夢球杯2025・全国学童軟式野球大会」で、北海道代表・余市強い子野球スポーツ少年団が堂々の初戦突破を果たした。続くダブルヘッターとなった2回戦では、兵庫県代表・ビクターズの注目投手・原田篤弥(6年)を攻略できず0―4で惜敗。それでも、全国舞台で堂々と戦い抜いた選手たちの姿は、次のステージへの確かな成長を示した。
イニングスコア
◆1回戦
余市強い子野球スポーツ少年団7-0杉森クラブ
杉森クラブ
0000=0
3004=7
余市強い子野球スポーツ少年団
(四回コールドゲーム)
(杉)石川、加園ー笠井
(余)川内谷ー上枝
▽二塁打:横浜(余)
◆2回戦
余市強い子野球スポーツ少年団(北海道)0-4ビクターズ(栃木県)
余市強い子
000000=0
00013x=4
ビクターズ
(余)山根、川内谷ー上枝
(ビ)原田ー小野
▽二塁打:原田、森、小野(ビ)
初戦は攻守がかみ合い、四回コールドの快勝
1回戦で対戦したのは東京都代表の杉森クラブ。初回、敵失と内野安打で無死二、三塁のチャンスを作ると、3番・上枝旺太朗(6年)がスクイズを決めて先制。さらに二死三塁から5番・川内谷遥泰(6年)のセンター前タイムリー、続く6番・伊藤堅翔(6年)のライト前タイムリーで3点を先取した。
四回には四球と敵失に乗じて再びチャンスをつかみ、2番・横濱星翔(6年)が左中間を破る2点タイムリー。攻撃の手を緩めず、この回一挙4点を奪って7―0。大会規定により四回コールドで初戦を制した。
上枝良監督は「強い子らしく送るところはしっかり送って、三塁からのエンドランやスクイズを決めることができた」と語る。「投げては川内谷も粘り強く、上手くかわしながら投げてくれた。バックもしっかり守り、狙い球を絞って打てた」と、選手たちの集中力を称えた。

2回戦、注目投手・原田の前にあと一打が届かず
ダブルヘッダーとなった2回戦では、兵庫県代表・ビクターズと対戦。相手は身長177センチの長身から投げ下ろす最速120キロ近いストレートを武器とする原田篤弥投手。原田は「2025オリックス・バファローズジュニア」にも選ばれるほどの逸材で、余市打線はその緩急自在の投球に苦しめられた。また、1回戦に先発し、この試合でも途中から登板した川内谷投手も「2025日本ハムファイターズジュニア」に選出される実力者だ。
二回、先頭の山根碧人(6年)がセンター前ヒットで出塁し、5番・川内谷がバントヒットで続き、一死二、三塁の好機をつくった。ここでエンドランを仕掛けたが、打者が空振りし、三走が三本間で挟まれてタッチアウト。後続も倒れ、先制のチャンスを逃した。五回には6番・伊藤堅翔(6年)、7番・佐々木教心(6年)の連続安打で二死二、三塁と再び攻め立てたが、あと一本が出ず無得点。数少ない好機を生かせず、0―4で惜しくも敗れた。
上枝良監督は「1回戦とは逆に、ここぞという場面で一打が出なかったのは大きい」と悔しさをにじませながらも、「ここで終わりではない。ここからがスタートだと思っている。6年生には、これまでの経験を無駄にせず、次のステージで頑張ってほしい」と前を向いた。
.jpg)
春からの成長、強豪との出会いが糧に
今大会で見せた粘りの裏には、春からの成長があると上枝監督は話す。
「このチームは春から本当に成長した。野球を理解してきた。実はそれは、北海道チャンピオンシップ協会さんの大会に参加し、強豪チームさんとの交流で多くを学んだことが大きい。あの経験が今の糧になっている」と、関係者への感謝を口にした。
さらに、「2回戦の試合前には山の手ベアーズと永山西クラブの2チームが激励に来てくれた。勝って恩返しができれば最高だったが、うちらは負けてしまった。だからこそ、山の手さんと永山西さんには優勝を目指して頑張ってほしい」と、同じ北海道代表への思いを語った。

6年生、最後の夏を胸に次のステージへ
今回の大会をもって、余市強い子野球スポーツ少年団の6年生8人は公式戦を終えた。しかし彼らは全員、後志選抜のメンバーとして再びグラウンドに立つ。11月8日、檜山郡江差町で開幕する選抜大会が、彼らにとって学童野球最後の戦いとなる。
上枝監督が語ったように、「ここからがスタート」。全国の舞台で得た経験と誇りを胸に、彼らの挑戦はまだ終わらない。

全国トーナメント表

協力:余市強い子野球スポーツ少年団
