
三重県で開幕した「エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025」に、北海道代表として出場した東川大雪少年野球スポーツ少年団(東川町)。8日に行われた初戦では、香川県代表・屋島野球スポーツ少年団と対戦し、四回最終回に粘りを見せたものの、1-3で惜しくも敗れた。
“本気で楽しむ”をスローガンに掲げ、最後まであきらめない姿勢を貫いた東川大雪ナインの戦いぶりは、見る者の心に深く刻まれた。チームは9日、10日に交流戦を行い、11日に決勝戦観戦後、帰道する予定だ。
一瞬の好機を活かし先制も、悔やまれる三回裏
試合が動いたのは三回表。先頭の7番・松原カラニ(6年)がレフト前に出塁すると、犠打で二塁へ進塁。二死となって迎えた1番・井出卓(6年)が、センター前へタイムリーヒットを放ち、先制点を挙げた。
しかし、その裏、二死から守備のミスが重なり、思わぬ形で3点を失う。緊張感の中での小さな綻びが、勝負の流れを大きく左右した。

最終回の攻防、あと一歩届かず
1-3で迎えた四回表、先頭の5番・駒場陽向(6年)がセンターオーバーの三塁打を放ち、一気に反撃ムードに。続く6番・中嶋泰聖(6年)が四球を選び、一・三塁の好機を作るも、中嶋が牽制で挟まれる間に三走・駒場が果敢にホームを狙ったが、惜しくもタッチアウトとなった。
それでも勢いは衰えず、7番・松原カラニ(6年)、8番・遠藤功裕(5年)が連続四球で出塁し、一死満塁の絶好機を迎える。しかしあと一本が出ず、無得点に終わった。大会規定により試合時間は75分で打ち切りのため、四回裏の屋島の攻撃中にタイムアップとなり、ゲームセットとなった。

小林監督「ここからが始まり」 成長を実感
試合後、小林弘明監督は「ものすごくいい雰囲気で野球ができました。エラーでの3失点は悔しいですが、最後まで喰らいつく姿勢は、まさに東川大雪スタイル。子どもたちの成長を強く感じました」と語った。
相手投手の巧みな牽制術や、盗塁への抑止力が攻撃のリズムを奪い、1点止まりとなったことにも言及しつつ、「この経験を活かして、中学、高校、大学、社会人と野球を続けて欲しい」と、子どもたちへの期待と愛情をにじませた。

75分のルールと向き合いながら
今大会の試合時間は75分。通常の学童野球では80分、または90分で行われることが多く、今回のような短時間決戦では、攻守一体となった集中力と試合運びがより一層問われる。とりわけ、ビハインドのチームにとっては、たった5分の差が勝敗を左右する重みを持つ。
“あと少し”に泣いた東川大雪の挑戦。しかし、子どもたちがこの舞台で得た経験と、最後まで貫いた“本気で楽しむ”姿勢は、これからの野球人生にとって、かけがえのない財産となるだろう。

イニングスコア
◆1回戦(8日、西野公園野球場)
東川大雪少年野球スポーツ少年団(北海道)1-3屋島野球スポーツ少年団(香川県)
東川大雪少年野球スポーツ少年団
0010=1
0030=3
屋島野球スポーツ少年団
(四回時間切れ)
(東)小林、中川ー井出
(屋)森田ー大西
▽三塁打:駒場(東)
全国大会トーナメント表

協力:東川大雪少年野球スポーツ少年団