悔しさも誇りも胸に刻み──東川大雪、全力で挑んだ全国初戦

悔しさも誇りも胸に刻み──東川大雪、全力で挑んだ全国初戦

一瞬の好機を活かし先制も、悔やまれる三回裏

 試合が動いたのは三回表。先頭の7番・松原カラニ(6年)がレフト前に出塁すると、犠打で二塁へ進塁。二死となって迎えた1番・井出卓(6年)が、センター前へタイムリーヒットを放ち、先制点を挙げた。
しかし、その裏、二死から守備のミスが重なり、思わぬ形で3点を失う。緊張感の中での小さな綻びが、勝負の流れを大きく左右した。

写真右、先制の中前を放った井出
写真右、先制の中前を放った井出

最終回の攻防、あと一歩届かず

 1-3で迎えた四回表、先頭の5番・駒場陽向(6年)がセンターオーバーの三塁打を放ち、一気に反撃ムードに。続く6番・中嶋泰聖(6年)が四球を選び、一・三塁の好機を作るも、中嶋が牽制で挟まれる間に三走・駒場が果敢にホームを狙ったが、惜しくもタッチアウトとなった。

 それでも勢いは衰えず、7番・松原カラニ(6年)、8番・遠藤功裕(5年)が連続四球で出塁し、一死満塁の絶好機を迎える。しかしあと一本が出ず、無得点に終わった。大会規定により試合時間は75分で打ち切りのため、四回裏の屋島の攻撃中にタイムアップとなり、ゲームセットとなった。

土壇場で三塁打を放った駒場
土壇場で三塁打を放った駒場

小林監督「ここからが始まり」 成長を実感

 試合後、小林弘明監督は「ものすごくいい雰囲気で野球ができました。エラーでの3失点は悔しいですが、最後まで喰らいつく姿勢は、まさに東川大雪スタイル。子どもたちの成長を強く感じました」と語った。

相手投手の巧みな牽制術や、盗塁への抑止力が攻撃のリズムを奪い、1点止まりとなったことにも言及しつつ、「この経験を活かして、中学、高校、大学、社会人と野球を続けて欲しい」と、子どもたちへの期待と愛情をにじませた。

北海道代表の東川大雪
北海道代表の東川大雪少年野球スポーツ少年団

75分のルールと向き合いながら

今大会の試合時間は75分。通常の学童野球では80分、または90分で行われることが多く、今回のような短時間決戦では、攻守一体となった集中力と試合運びがより一層問われる。とりわけ、ビハインドのチームにとっては、たった5分の差が勝敗を左右する重みを持つ。

“あと少し”に泣いた東川大雪の挑戦。しかし、子どもたちがこの舞台で得た経験と、最後まで貫いた“本気で楽しむ”姿勢は、これからの野球人生にとって、かけがえのない財産となるだろう。

開会式より
エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025・開会式より

イニングスコア

◆1回戦(8日、西野公園野球場)

東川大雪少年野球スポーツ少年団(北海道)1-3屋島野球スポーツ少年団(香川県)

東川大雪少年野球スポーツ少年団
0010=1
0030=3
屋島野球スポーツ少年団
(四回時間切れ)
(東)小林、中川ー井出
(屋)森田ー大西
▽三塁打:駒場(東)

全国大会トーナメント表

エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025=組合せ
エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025=組合せ

協力:東川大雪少年野球スポーツ少年団

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