北海道の歴史を塗り替えた札幌北――全国準優勝、その価値と現実

北海道の歴史を塗り替えた札幌北――全国準優勝、その価値と現実

初の決勝進出の先に見えた“頂点との差” 松本監督が語った勝因と敗因

イニングスコア

◆決勝(3月31日、GOSANDO南港野球場)

札幌北
003100002=6
210000103=7
守山
(九回タイブレーク)
(北)笠井、宮崎、荒岡、笠井-松野
(守)筒井、西垣、渡部-小嶋
▽三塁打:出口2(守)

表彰選手

◆敢闘賞 

笠井 心雅(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)

◆優秀賞

部田 香輔(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)

◆ベストナイン賞

投 手 宮崎煌大(星置レッドソックス出身/新3年)

外野手 荒岡光政(東グレートキングス出身/新3年)

投打でチームを支え敢闘賞を受賞した笠井投手
投打でチームを支え敢闘賞を受賞した笠井投手
優秀賞に選出された部田選手
優秀賞に選出された部田選手
ベストナインに選ばれた投手・宮崎投手
ベストナインに選ばれた投手・宮崎投手
ベストナインに選ばれた外野手・荒岡選手
ベストナインに選ばれた外野手・荒岡選手
全国選抜大会・表彰選手
全国選抜大会・表彰選手

歴史を動かした勝ち上がり

初戦となる2回戦・八代リトルシニア(熊本県)、3回戦・富士見リトルシニア(埼玉県)、準々決勝・常総リトルシニア(茨城県)、準決勝・青森山田リトルシニア(青森県)――。

全国の強豪を連破し、北海道勢初の決勝進出。

松本竜輔監督はこう振り返る。
「実力以上のものも出したと思う。一方で、実力そのもののミスも同時に出た大会だった」

(写真・札幌北リトルシニア提供)
(写真・札幌北リトルシニア提供)

打線がつないだ反撃――下位から始まった流れ

決勝序盤は0-3と劣勢の展開。

それでも流れを引き寄せたのは下位打線だった。

二回、先頭の8番・池谷航(拓北スパイダース出身/新3年)がセンター前で出塁。続く9番・酒井駿(厚別アトムズスポーツ少年団出身/新3年)が内野安打でつなぎ、四球で満塁。

一度は投手ゴロ併殺で二死二、三塁となるも、3番・笠井心雅(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)の内野ゴロが敵失を誘い1点。

さらに4番・藤田の振り逃げが敵失を誘う間に、三走・部田香輔(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)、そして笠井も生還。この回一挙3点で同点に追いついた。

三回には、一死から7番・大門賢佑(岩見沢学童野球クラブ出身/新3年)がセンター前、8番・池谷がライト前で続き一死一、三塁。

内野ゴロの間に大門が生還し、4-3と勝ち越しに成功した。

一時、勝ち越し打を放つ大門選手(札幌北)
一時、勝ち越し打を放つ大門選手(札幌北)

想定内の継投と試合運び

投手陣も準備通りに動いた。

先発・笠井、宮崎煌大(星置レッドソックス出身/新3年)、荒岡光政(東グレートキングス出身/新3年)とつなぎ、再び笠井がマウンドへ。

「笠井に完投してほしい気持ちはあったが、捕まる展開も想定していた。途中の継投も再登板も含めて準備していた」

「笠井は既定の90球を投げ切った」

捕手・松野栞侑(北発寒ファイヤーズ出身/新3年)についても、
「リード、ブロッキング、送球とよく頑張ってくれた。陰の立役者です」と評価した。

連日の好投が光った宮崎投手(札幌北)
連日の好投が光った宮崎投手(札幌北)
魂のピッチングを披露し、再登板にも応えた笠井投手
魂のピッチングを披露し、再登板にも応えた笠井投手
陰の立役者・松野捕手
陰の立役者・松野捕手

七回、あと一歩からの同点

試合の大きな分岐点は七回だった。

4-3と1点リードで迎えた七回裏、二死走者なし、カウント3-2。

内野ゴロに打ち取り、選手たちがベンチを飛び出しかけ、試合終了かと思われた瞬間――送球がそれ、一塁はセーフとなった。

続く打者にセンターオーバーの二塁打を浴び、同点。

あと一つのアウトから、流れは一変した。

九回タイブレーク、そして決着

タイブレークに突入した試合は九回へ。

札幌北は先頭の5番・松野がレフト前へ2点タイムリーを放ち、6-4とリードを広げた。

しかしその裏、一死満塁から内野ゴロの処理から二死一、三塁となり、その間に1点差。

さらに二盗で二、三塁とされ、次打者の内野ゴロ――。

ここで内野手がファンブル。一塁送球も間に合わず、ホーム転送も二走が生還しサヨナラ。

試合は6-7で決着した。

松本監督が見た“敗因”

試合後、松本監督は明確に言い切った。

「最後はボール回しで負けた」

そして、こう続ける。

「全国決勝の舞台で、そこが弱いところです」
「そこをおろそかにした者は敗れる」

称賛ではなく、現実を突きつける言葉だった。

この全国選抜大会で優勝していれば、リトルシニア枠として夏のジャイアンツカップへの出場権が得られるだけに、逃した代償も大きかった。

準優勝の意味と、その先

この大会で札幌北は、確実に全国で戦える力を示した。

一方で、勝ち切るための課題もはっきりした。

「実力以上のものも出たが、実力のミスも出た」

その両方が、この結果だった。

仲間へ必死に声援を送る札幌北ナイン
仲間へ必死に声援を送る札幌北ナイン

全国の借りは、全国で返す

あと一歩届かなかった頂点。

だが、その差は明確だ。

春の準優勝は通過点。
次は、夏。

全国の借りは、全国で返す。

札幌北リトルシニアの挑戦は、ここからさらに研ぎ澄まされていく。

閉会式で準優勝の受賞を受ける札幌北ナイン
閉会式で準優勝の受賞を受ける札幌北ナイン

協力:札幌北リトルシニア

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