20年以上の歴史を持つ球団が存続を決断 全国制覇を経験したOB、卒団後も恩師を慕う元主将、保護者が語る「北広島の財産」 2027年度新30期生を募集
「もう一度、球団のユニフォームを着た選手がグラウンドを駆けているのを見たら、涙が出てしまうと思います」――。20年以上にわたり中学硬式野球の選手たちを育ててきた北広島リトルシニアが、かつてない試練に直面した。所属する現役選手が一人もいなくなり、球団存続そのものが問われる事態となった。それでも関係者が選んだのは、解散ではなく再始動の道だった。そして先日、待望の入団者が1人決まり、ゼロからの再建に向けて確かな一歩を踏み出した。新たに指揮を執るのは、20年近く指導者として球団を支えてきた石井翔新監督。今回の取材では、石井新監督と球団運営側に加え、異なる年代のOB3人、OB保護者にも話を聞いた。そこから浮かび上がってきたのは、勝敗や大会成績だけでは測ることのできない、北広島リトルシニアが育んできた人と人とのつながりだった。かつて京都の高校で全国制覇を経験した卒団生、今も石井新監督に相談を寄せる元主将、卒団から7年が経っても続く保護者と指導者の交流。彼らの言葉は、球団が再び立ち上がる意味を教えてくれる。新たな歴史を担う2027年度新30期生の募集が始まっている。
「選手が一人もいない」20年以上の歴史で初めての危機
中学硬式野球の北広島リトルシニアが、大きな転換期を迎えている。
これまで多くの中学生が汗を流し、仲間と勝利を目指してきた球団。しかし、チーム内の事情によって所属選手がいなくなり、活動の継続そのものが危ぶまれる状況となった。
20年以上にわたって球団運営に携わってきた関係者にとっても、初めて経験する事態だった。
「現役選手を失って、チームの存続を考えることもありました。20年以上運営していて初めての出来事でしたので、最初は不安と焦りの気持ちが大きかったです」
球団運営側は、当時の心境をそう振り返る。
長い歴史の中では、全国大会出場の喜びを選手たちと分かち合ったこともあった。次のステージへ進む選手の将来をともに考え、悩んだ時間もあった。
その一つひとつが、かけがえのない思い出として残っている。
「まだまだ選手たちと喜びや辛さを分かち合い、背中を押してあげたい。次に進む勇気と経験を与えてあげたいという気持ちに至り、活動していくことを決めました」
解散ではなく、再始動。
それは単に球団の名前を残すための決断ではない。
これから中学硬式野球に挑戦する子どもたちに、新たな成長の場所を用意するための決断だった。
球団運営側は、今も変わらない思いを口にする。
「何十年と見てきても、子供たちが汗、涙を流しながら野球をしている姿をみると心が動かされます。そんな素晴らしいスポーツを通して、子供たちが持つ夢を私は一緒に追いかけたい」
その言葉に、球団を存続させる理由が凝縮されていた。
「自分が導くしかない」石井翔新監督が背負う再建への覚悟
新たな北広島リトルシニアの指揮を執るのは、石井翔新監督だ。
小学時代は真栄ボーイズ、中学時代は清田BBCでプレー。駒澤大学附属岩見沢高校では主将を務めた。
高校卒業後、選手としての野球人生に区切りをつけ、北広島リトルシニアのコーチに就任。以来、20年近くにわたって中学生の指導に携わってきた。
監督就任の経緯について、石井新監督はこう語る。
「長年コーチとしてチームを支えてきましたが、団員がいなくなった状況で、今後も継続してチームを運営していくにあたり、チームを導いていくのは自分しかいないという思いがありました」
球団会長との話し合いを経て、監督という責任ある立場を引き受けた。
もっとも、不安がなかったわけではない。
新たな選手が入団してくれるのか。再建できたとしても、再び同じ状況に陥るのではないか。
そうした思いが頭をよぎることもあったという。
それでも、石井新監督には球団を離れられない理由があった。
「私自身が20年弱、指導者として在籍したチームであることですね」
長年、選手たちの成長を見守ってきた場所。
数え切れないほどの喜びや悔しさを共有してきた場所。
その歴史を、ここで終わらせるわけにはいかなかった。
石井新監督の挑戦は、ここから始まる。

「勝利に貪欲なチームを」厳しさの中にも明確な育成理念
新たなチームで、どのような野球を目指すのか。
石井新監督の答えは明快だった。
「『勝利』に貪欲なチームを作りたいとは考えています」
ただし、勝利を追い求めることと、選手に厳しい指導を繰り返すことは別だという。
重視するのは、選手自身が考える力を身につけることだ。
どうすれば勝てるのか。
今、何をするべきなのか。
自分はチームのために何ができるのか。
そうした問いに対して、選手自身が答えを見つけられるチームを目指す。
興味深いのは、勝敗に対する考え方だ。
「勝つことで、取り組む意欲も向上することはもちろん、今後の野球人生においても選択肢が広がることになります。ただ、負けることも同程度に重要だと考えています」
さらに、こう続けた。
「負けた試合よりも勝った試合の反省を深く行っていきたい」
勝ったからといって、すべてが良かったわけではない。
勝利の中に隠れた課題を見つけ、次の成長へつなげていく。
結果に満足するのではなく、常にその先を目指す姿勢を育てたいという。
一方、選手を叱る基準も明確だ。
「100%でプレーした中でのミスを叱責するつもりはありません」
全力で挑戦した結果の失敗は責めない。
しかし、練習態度が悪かったり、仲間や指導者に失礼な行動を取ったりした場合には厳しく接する。
野球の技術だけではなく、取り組む姿勢そのものを大切にしている。
礼儀・注意力・発言力――高校野球、その先へつながる三つの柱
石井新監督が中学3年間で身につけてほしいと考えているのが、「礼儀作法」「注意力」「発言力」の三つだ。
まず、礼儀作法。
どのような場所でも、北広島リトルシニアの選手であることを意識して行動する。挨拶や立ち振る舞いを大切にし、地域から応援される選手になってほしいという。
次に注意力。
周囲の状況を把握し、危険を察知する力は、けがの予防にもつながる。試合では相手のわずかな隙を見つける力にもなる。
そして発言力。
自分の考えを持ち、間違いを恐れずに発言する。ただし、その発言には責任が伴うことも忘れてはならない。
石井新監督は、こうした力が高校野球、さらには社会に出てからも役立つと考えている。
また、成長期の身体への配慮も欠かさない。
肩や肘などに異変が見られた場合には、練習を中止するか別メニューに変更する。必要に応じて医療機関を受診し、診断結果を踏まえて選手、保護者、指導者が相談しながら今後の方針を決める考えだ。
中学生の身体は、一人ひとり成長の速度が異なる。
目先の結果だけで判断せず、長い目で選手の可能性を伸ばしていく。
卒団するときには、野球を続けさせてくれた保護者へ感謝できる選手になってほしいという。
そして、どこの高校へ進学しても、北広島リトルシニア出身の選手は礼儀から野球まで素晴らしいと言われる存在になることを願っている。
「人生の大きな財産」2017~2019年在籍OBが語る成長と悔しさ
北広島リトルシニアが残してきたものは何か。
その答えを知るため、異なる年代の卒団生3人に話を聞いた。
2017年から2019年まで在籍したOBは、体験練習で感じたチームの雰囲気と、目標にしたいと思える先輩の存在が入団の決め手だったという。
当時は身体が細く、スイングも力強いものではなかった。
小学生時代は、ただ楽しく野球をしていたという。
しかし、北広島リトルシニアへの入団をきっかけに、野球との向き合い方が大きく変わった。
「全国大会に出場するという明確な目標を立てたことで、体を大きくすることから始まり、全体練習が終わった後もチームの仲間と日が落ちるまで練習をしていました」
目標が変われば、行動が変わる。
自分に足りないものを考え、仲間とともに努力を重ねるようになった。
その経験は、卒団後も大きな財産となっている。
最も印象に残っている試合は、札幌ドームで行われたFBC(ファイターズベースボールチャンピオンシップ)だ。
当時、北海道日本ハムファイターズの選手たちがプレーしていた球場で試合ができたこと。そして、チームとして準優勝を果たしたことが忘れられないという。
しかし、本人の胸に強く刻まれているのは、喜びだけではない。
決勝戦では相手投手から3三振を喫した。
同学年の投手に圧倒された経験は、それまでにない悔しさだった。
「高校に進学してからも一つ上のレベルを求め、結果にこだわれるようになりました」
準優勝という成果と、個人として味わった悔しさ。
その両方が、次のステージへ進む原動力となった。
また、指導者から教わった言葉で、今も忘れられないものがある。
「挨拶と礼儀はしっかりすること」
当時は十分に理解できなかったことも、大人になった今では、その意味を実感している。
仲間とのつながりも続いている。
「私たちの代は当時から仲もよく、大人になった今でも交流があります。北広島シニアでプレーした3年間は間違いなく私の人生の中で大きな財産になっています」
これから入団する後輩たちには、こう伝えたいという。
「スローガンでもある『夢叶うまで挑戦』というのは、今の自分も大きな支えになっています。ここでの経験は必ず大きな糧になると思うので、信じて頑張ってください」
「人は今この瞬間から変われる」京都で全国制覇を経験したOBの言葉
2019年から2021年まで在籍したOBも、北広島リトルシニアでの経験を人生の転機として捉えている。
入団のきっかけは、体験練習で感じたチームの雰囲気だった。
中学3年間で最も成長したのは、野球への向き合い方と練習への取り組み方だという。
その卒団生が、今も忘れられない指導者の言葉として挙げたのが、
「人は今この瞬間から変われる」
という言葉だった。
短い言葉だが、そこには大きな意味がある。
過去の結果や現在の実力だけで、自分の可能性を決めつける必要はない。
変わろうと思った瞬間から、新しい挑戦は始められる。
その考え方は、中学卒業後の野球人生にもつながっていった。
このOBは北海道を離れ、京都の高校へ進学。高校野球最後の年には全国制覇を経験したという。
「野球への向き合い方だと思います。そのおかげで高校野球では最後の年に全国制覇をすることができました」
本人が北広島リトルシニアで得たものとして挙げるのは、特別な技術だけではない。
努力を重ねる姿勢。
苦しい練習にも向き合う気持ち。
自分を変えようとする意識。
そうした日々の積み重ねが、高校野球の大きな舞台へとつながった。
最も印象に残っている出来事には、和歌山遠征を挙げた。
仲間とともに過ごした中学時代の経験は、今も心に残っている。
再始動する母校への思いを尋ねると、
「また1からのスタートにはなりますが、応援しているので頑張ってください!」
とエールを送った。
さらに、これから入団する選手たちへ、こんな言葉を残した。
「自分が北海道を出て、京都の高校に行って花を咲かせることができたり、今の自分がいるのは北広島シニアのおかげだと思っています」
中学時代の経験が、その後の人生を大きく変えることがある。
そのことを、自らの歩みで示している卒団生の言葉には説得力がある。
「今でも石井監督に相談する」元主将が語る、卒団しても続く絆
2023年から2025年まで在籍したOBは、比較的新しい世代の卒団生だ。
自宅から通いやすかったことに加え、体験練習で感じた雰囲気の良さが入団の決め手だったという。
中学3年間で最も成長したことを尋ねると、返ってきた答えは「人間力」だった。
最終学年では主将を務め、チームを引っ張る立場となった。
厳しい練習を通じて、忍耐力や野球技術も身につけたという。
当時、身体が細かったこともあり、指導者からはよく「飯を食え」と言われていたと笑う。
最も印象に残っている試合は、1年生大会での札幌新琴似リトルシニアとの初めての公式戦だ。
高校進学後も、中学時代に積み重ねた経験が生きているという。
「高校に進学してからも厳しい練習があっても、周りの選手よりは耐性があるなと感じます」
そして、何より印象的だったのが、現在の石井新監督との関係だ。
「当時のコーチだった現監督である石井翔さんは、特に選手の話を聞いてくれる方だったので、今でもたまに相談の連絡をしています」
卒団すれば、指導者と選手という関係はいったん区切りを迎える。
しかし、北広島リトルシニアで築かれた信頼関係は、卒団後も続いている。
野球の技術だけではなく、困ったことや悩みを相談できる存在。
このOBにとって、北広島リトルシニアは「心のよりどころ」のような場所なのだという。
チームの現役選手がいなくなったことを聞いたときには、残念な思いがあった。
それでも、新たな指導体制で再出発することを知り、素直にうれしかったという。
「自分は北広島シニアに入団してよかったと思っています」
その言葉は、これから中学硬式野球を目指す小学生や保護者にとって、何より心強い証言になるのではないだろうか。
「野球をさせてくれてありがとう」OB保護者が語る忘れられない3年間
今回の取材では、卒団生だけではなく、OB保護者にも話を聞いた。
保護者の立場から見た北広島リトルシニアは、どのような球団だったのか。
入団を決めた理由は、知人に北広島リトルシニア出身の先輩がいたことだった。
その選手は野球の技術だけでなく、礼儀もしっかりしていた。
その姿を見て、野球を通じて人間性も育つチームなのだと感じたという。
もっとも、入団当初には不安もあった。
厳しい練習についていけるのか。
仲間とうまくやっていけるのか。
そうした心配を抱えながら始まった中学硬式野球の3年間だった。
しかし、息子は次第に変わっていった。
細身だった身体は大きくなり、高校野球でも通用する体力と技術を身につけた。
それ以上に、保護者が成長を感じたのは人間性だった。
挨拶をしっかりすること。
道具を大切に扱うこと。
簡単には諦めないこと。
そして、仲間を大切にし、互いを尊敬する心。
「親としては大人になったなと感じました」
その言葉には、3年間の成長を見守ってきた親としての実感が込められている。
そして、何よりうれしかったのは、息子から聞いた言葉だった。
「野球が大好き、仲間が大好き、北広島シニアで野球ができて良かった」
さらに、
「北広島シニアで野球をさせてくれてありがとう」
という感謝の言葉もあったという。
中学硬式野球では、保護者の協力が欠かせない。
送迎や食事、日々の体調管理など、家庭の支えがあってこそ選手は野球に打ち込むことができる。
だからこそ、3年間を終えた息子からの感謝の言葉は、何物にも代え難いものだったに違いない。
さらに驚かされるのは、卒団後の関係だ。
「私たちの代は卒団し7年経ちますが、今でも親も子も指導者も変わらない当時のような関係性を続けられています」
卒団しても、選手と保護者、指導者のつながりが続いている。
それこそが、北広島リトルシニアが長年にわたって築いてきた財産の一つなのだろう。
保護者は当時を振り返り、こう語った。
「大変だったけど、それよりも楽しかったね!と思える北広島シニアの3年間でした」
これから入団を検討する家庭に向けても、北広島リトルシニアへの入団を勧める言葉を寄せている。
3人のOBに共通する「野球への向き合い方」と人間的成長
今回、異なる年代のOB3人に話を聞いて、共通していたことがある。
それは、北広島リトルシニアで得たものとして、単なる野球技術の向上だけを挙げていないことだ。
2017~2019年在籍のOBは、目標に向かって努力する姿勢と、仲間との絆を挙げた。
2019~2021年在籍のOBは、野球への向き合い方が変わったことを挙げ、その経験を高校での全国制覇につなげた。
2023~2025年在籍の元主将は、人間力の成長を挙げ、今も石井新監督とのつながりを大切にしている。
そしてOB保護者は、息子が身につけた礼儀や感謝の心、仲間を思いやる姿勢を高く評価していた。
年代も、経験した出来事も違う。
それでも、卒団生たちの言葉には共通するものがあった。
野球に真剣に向き合うこと。
仲間を大切にすること。
努力を続けること。
そして、人として成長すること。
こうした経験の積み重ねこそ、北広島リトルシニアが20年以上にわたって育んできた財産といえる。
選手がいなくなったからといって、その歴史まで消えるわけではない。
卒団生たちの中に、今も確かに生き続けている。
冬期間も打撃・投球・守備が可能 充実した専用室内練習場
新たな選手を迎えるにあたり、北広島リトルシニアが持つ強みの一つが練習環境だ。
球団には専用の室内練習場があり、積雪の多い北海道の冬期間でも、打撃、投球、守備練習に取り組むことができる。
打撃設備にはバッティングマシン2台、L字ネット、防球ネットを備える。
投球練習では最大3レーンのマウンドを使用でき、仕切りネットを設置することで、打撃練習と並行して投球練習を行うことも可能だ。
守備練習では約20メートルの距離を確保し、ノックやゴロ捕球に取り組める。
さらに、ジャンプボックス2台やバトルロープなど、身体づくりに活用できる器具も用意されている。
注目したいのは、施設の利用方法だ。
使用予定がなければ、選手が個人で室内練習場を利用することもできるという。
全体練習だけでなく、自分の課題に合わせた自主練習にも取り組める。
もっと打ちたい。
もっと投げたい。
もっと上手くなりたい。
そんな選手の意欲を支える環境が整っている。
また、球団では新たなグラウンドの整備も進めている。
石井新監督が目指すのは、豪華な設備ではなく、選手が安心して思い切りプレーできるグラウンドだ。
地面の硬さや土の状態を気にして、選手がイレギラーバウンドを恐れるような環境にはしたくないという。
球団運営側も、新グラウンドの整備には大きな意味があると考えている。
自分たちのグラウンドを持つことで、練習場所を確保するだけでなく、選手たちに施設を大切に扱う心を育てることもできる。
その経験は、高校野球へ進んでからも生きてくるはずだ。
小学生時代の実績は問わない 新しいチームには全員にチャンスがある
北広島リトルシニアが再始動するにあたり、これから入団する選手たちには大きな特徴がある。
それは、すでに出来上がったチームに加わるのではなく、自分たちで新しいチームをつくっていけることだ。
石井新監督は、その可能性についてこう語る。
「全てがチャンスですね」
小学生時代の大会成績や実績だけで、選手の起用を決めることはない。
過去の努力は評価する。しかし、入団後にどれだけ成長し、努力を重ねるかを大切にしたいという。
小学生時代に控え選手だった子も、硬式野球が初めての子も歓迎する。
「誰しも最初から上手なはずはありません。一緒に上手くなることが非常に重要なことですので、気にする必要はありません」
さらに、挑戦を迷っている選手へ、こう呼びかける。
「控えだったから、やったことないからで、やってみたいことから目を背けるにはまだまだ早い年齢です」
もちろん、入団すれば必ず試合に出られるという保証はない。
しかし、挑戦しなければ可能性は広がらない。
新たな北広島リトルシニアでは、選手一人ひとりが自分の可能性に向き合うことになる。
先輩や後輩のいない状態から、仲間とともにチームをつくる。
その経験は、野球だけでは得られない責任感や協調性を育てる機会にもなるだろう。
待望の入団者が1人決定――ゼロから「1」へ踏み出した確かな一歩
再始動に向けて準備を進めてきた北広島リトルシニアに、明るい知らせが届いた。
先日、新たに1人の入団が決まった。
所属選手がゼロという状況から再建を目指してきた球団にとって、大きな意味を持つ出来事だ。
もちろん、野球は一人ではできない。
練習試合や公式戦に臨むためには、さらに仲間を増やしていく必要がある。
それでも、最初の一歩がなければ、その先の未来は始まらない。
新たな選手を迎えたことで、これまで構想として描いてきたチームづくりが、具体的な形となって動き始めた。
石井新監督は、最初に入団する選手について、取材時にこう語っていた。
「最初であれ、最後であれ、入団してくださった皆さんには感謝の思いで迎えたいです」
その言葉からは、選手一人ひとりを大切にしたいという思いが伝わってくる。
また、これから入団する選手たちが「北広島を復活させた世代」と呼ばれる可能性について尋ねると、意外な答えが返ってきた。
「子供たちからすれば復活も何も関係あることではありません。私は、当球団で良い野球を学んでいただければそれで満足です」
球団の再建は、大人たちにとって大きな挑戦だ。
しかし、入団する子どもたちに、その重荷を背負わせるつもりはない。
選手たちには、純粋に野球を楽しみ、努力し、成長してほしい。
その思いこそ、新しい北広島リトルシニアが大切にしていく姿勢なのだろう。
「もう一度ユニフォーム姿を見たら涙が出る」球団の未来へ託す願い
再始動した北広島リトルシニアが、再び公式戦のグラウンドに立つ日。
球団運営側は、その光景をどのように思い描いているのだろうか。
問いかけると、胸に迫る言葉が返ってきた。
「もう一度、球団のユニフォームを着た選手がグラウンドを駆けているのを見たら、涙が出てしまうと思います」
20年以上、選手たちの成長を見守ってきた。
全国大会への出場を喜び、敗戦の悔しさを分かち合い、次のステージへ進む選手たちの背中を押してきた。
その球団から、選手がいなくなった。
再びユニフォームを着た選手たちがグラウンドを駆ける姿を見ることは、球団関係者にとって特別な意味を持つ。
今はまだ、待望の入団者が1人決まった段階だ。
それでも、確かな希望が生まれた。
これから二人、三人と仲間が増え、やがて一つのチームとして公式戦の舞台に立つ。
その日を目指して、球団は歩み続ける。
新監督と球団運営側が共通して掲げるのは、礼節を重んじ、勝利を目指すチームづくりだ。
3年後、5年後には、野球の実力だけでなく、礼儀や立ち振る舞いでも他チームから一目置かれる球団になっていたいという。
長い歴史を守るだけではなく、新しい価値を積み重ねていく。
北広島リトルシニアの挑戦は、まだ始まったばかりだ。
「夢叶うまで挑戦」新たな歴史をつくる球児たちへ
今回の取材で、最も印象に残ったのは、卒団生たちが今も北広島リトルシニアを大切に思っていることだった。
中学時代の悔しさを高校野球への原動力に変えたOB。
京都の高校で全国制覇を経験したOB。
卒団後も石井新監督に相談を寄せる元主将。
そして、卒団から7年が経った今も、親子と指導者の交流が続いているOB保護者。
それぞれの言葉から、北広島リトルシニアが育んできたものの大きさが伝わってきた。
野球の技術だけではない。
仲間とともに努力すること。
困難から逃げずに挑戦すること。
人への感謝を忘れないこと。
その経験が、卒団後も選手たちの人生を支えている。
今、北広島リトルシニアは新たな出発点に立っている。
かつて現役選手がゼロとなった球団に、待望の入団者が1人決まった。
まだ仲間は少ない。
これから乗り越えなければならない課題も多い。
それでも、20年以上にわたって積み重ねてきた歴史と、卒団生たちが残した財産は確かに存在している。
そして、その歴史を次の世代へつなごうとする指導者たちがいる。
ゼロから、もう一度。
新たな物語は、すでに動き始めた。
その続きを描くのは、これから北広島リトルシニアの門をたたく球児たちだ。
【2027年度新入団員募集】北広島リトルシニア 新30期生を募集!
~新たな物語は君たちから~
中学硬式野球の北広島リトルシニアでは、2027年度の新入団員となる新30期生を募集しています。
先日、新たに1人の入団が決まり、チーム再始動へ向けた第一歩を踏み出しました。
現在、さらに仲間を増やし、新たな北広島リトルシニアを一緒につくっていく選手を求めています。
小学生時代の実績やポジションは問いません。
試合に出る機会が少なかった選手、硬式野球に初めて挑戦する選手、もっと上手くなりたいという強い思いを持つ選手も歓迎します。
石井翔新監督は、入団を迷っている親子に向けて、こう呼びかけています。
「どうしても先輩がいないチームというのは抵抗があるやもしれません。ですが、野球が好きな子たちが集まり、一からチームを作っていくというのはここにしかない経験です」
そして、
「一緒に頑張りましょう!」
と力を込めます。
北広島リトルシニアには、冬期間も打撃、投球、守備練習に取り組める専用室内練習場があります。
新たなグラウンドの整備も進められており、選手たちが野球に打ち込める環境づくりを続けています。
すでに1人の仲間が、新しい北広島リトルシニアでの挑戦を決めました。
次に加わるのは、あなたかもしれません。

【募集・活動情報】
- 球団名:北広島リトルシニア
- 所属:一般財団法人日本リトルシニア中学硬式野球協会 北海道連盟
- 募集対象:2027年度新入団員(新30期生)
- 監督:石井 翔
- 練習施設:専用室内練習場(北広島市大曲803)、新グラウンド整備中
- 練習日:土曜・日曜・祝日・長期休暇など
- 体験練習・見学:日程・申込方法は球団へ確認
- お問い合わせ先:球団確認後に掲載
【入団金・活動費用】
- 入団金:5,000円
- 選手登録料:4,000円(年間)
- スポーツ保険加入金:1,450円(年間)
- 団費:10,000円(月額)
▽お問合せ先
球団会長 石井 090-3110-7155
※入団金の納付区分、その他の費用については球団へご確認ください。
最後に、球団運営側から未来の選手たちへ寄せられた言葉を紹介したい。
「私たちは、君たちの入団を心から待っています。厳しいことも楽しいこともたくさんあると思いますが、その時はみんな同じです。その中の一人にあなたが加わってくれることをお待ちしています」
「グラウンドで会いましょう!」
20年以上の歴史を持つ北広島リトルシニア。
その新しい歴史をつくる仲間を、今、待っている。
協力:北広島リトルシニア
