
中学硬式野球のリトルシニア北海道連盟は6月21日、札幌市のモエレ沼公園球場で決勝を行い、北空知深川リトルシニアが苫小牧リトルシニアを9-2で下して初優勝を果たした。創部5年の節目の年に、悲願の日本選手権出場権を獲得。当時、1期生が中学1年生だったことを思えば、わずか3度目の挑戦で栄冠をつかんだスピードは見事だった。
決勝で共に戦った両チームは、7月31日から東京都などで開幕する日本選手権大会へ北海道代表として出場する。
イニングスコア
◆決 勝(6月21日)
北空知深川9-2苫小牧
北空知深川
1031301=9
0000200=2
苫小牧
(深)柴田、立川ー桧森
(苫)上原、佐藤來、福田ー佐藤來、熊谷、佐藤來
▽三塁打:柴田(深)
▽二塁打:佐藤創(深)
「めちゃくちゃうれしい」創部5年目の歓喜、日本選手権へ挑戦!
決勝戦は、北空知深川が1-0とリードして迎えた三回、4番・佐藤創太(3年・深川ヤングスターズ出身)の左中間を破る二塁打から流れをつかむ。5番・原田羅維玖(3年・東光緑友BBC出身)のセンター前安打と四球で満塁のチャンスを作り、バッテリーミスで1点を追加。さらに9番・菊地翔太(3年・深川一已バトルズ出身)がライト前へ2点タイムリーを放ち、この回一気に3点を加えた。
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四回には4番・佐藤創がタイムリーで再び加点。五回には四球と相手のミスも絡んで3点を奪い、七回にも佐藤創がこの日2本目のタイムリーを放ち試合を決定づけた。
投げては先発・柴田悠吾(3年・深川一已バトルズ出身)が、キレのあるストレートと変化球を織り交ぜたピッチングで、五回までに4安打3四球7奪三振2失点の好投。2番手・立川結暉(3年・深川一已バトルズ出身)を経て、七回二死から再び登板し、最後は苫小牧の2番・西村賢吾(3年・拓勇ファイターズ出身)をサードライナーに仕留め、歓喜の瞬間を迎えた。
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試合後、三嶋友希監督は「めちゃめちゃうれしいです」と第一声。「春の全国大会で自信をつけた反面、慢心もあった。春季全道でも結果は出ていたが、隙の多いチームだった。トーナメントで小樽に負けて一度落ちたことが、引き締まるきっかけになった」と、チームの成長を振り返る。
さらに「4番の佐藤も精神面で大きく成長し、今は自信を持って打席に立てるようになった」と選手の変化も強調した。
初出場となる日本選手権に向けては「強豪ばかりで1点取るのも大変。今日のような序盤の戦い方ができれば、少しは戦えるかもしれない」と慎重ながらも手応えを感じている様子。「まずは1勝、まずは1点。北海道代表として恥ずかしくない試合を」と意気込みを語った。
快投を見せた柴田投手は「めちゃくちゃうれしい。初回の先頭打者を三球三振に仕留めてからリズムに乗れた」と試合を振り返り、「日本選手権まであと1ヶ月半。元気出して、みんなでしっかり調整していきます」と前を見据えた。


苫小牧、14年ぶりの決勝で健闘も準優勝
ここまで快投を続けていた北空知深川の柴田投手に対し、苫小牧が反撃に出たのは0-8と大きくリードされた五回だった。
8番・小山内琥珀(3年・新生台イーグルス出身)がレフト前ヒットで出塁し、9番・佐藤輝翼(3年・沼ノ端スポーツ少年団出身)もヒット、さらに次打者の四球で無死満塁のチャンスを作る。ここで2番・西村賢吾(3年・拓勇ファイターズ出身)が内野安打を放ち1点を返すと、続く3番・佐藤來覇(3年・JBC日高ブレイヴ出身)の内野ゴロの間に三塁走者・佐藤輝が生還し、さらに1点。意地の2点を返した。
なおも6点差で迎えた六回、七回にもチャンスを窺ったが、2番手・立川投手、そして最後にマウンドに戻った柴田投手の前に凡打に倒れ、反撃はここまでとなった。
苫小牧リトルシニアは14年ぶりの決勝進出で、初優勝を目指したが惜しくも届かなかった。
試合後、浜谷千春監督は「あと1ヶ月ちょっとあるので、投手陣も整備しながら、北海道代表として全国に向けて準備していきます」と語り、敗戦からの再始動に力を込めた。
また、主将の若生 蓮(3年・沼ノ端スポーツ少年団出身)は「優勝したかったです」と悔しさをにじませながらも、「全国大会では投手の制球力や細かいプレーを修正して、ベスト8を目指して頑張ります」と前を向いた。
先発マウンドに立った上原優馬(3年・泉野イーグルス出身)は「全国では自分が登板したときにしっかり抑えて、チームに貢献したい」と決意を語った。
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