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第2回チャレンジカップINサマー手稲区・北区交流大会
札幌市北区の太陽球場で8月24日、第2回チャレンジカップINサマー手稲区・北区交流大会の準決勝・決勝が行われた。決勝戦は手稲鉄北イーグルスが北発寒エンジェルスを7-5で退け、ついに悲願の初優勝を飾った。3位には北発寒ファイヤーズと光陽ヤンキースが入り、熱戦続きの一日となった。最優秀選手賞には、攻守で存在感を放った後藤洵君(6年)が輝いた。
毎回得点でつかんだ頂点
決勝戦の鉄北は序盤から攻めの姿勢を崩さなかった。初回は5番・小林飛陽(5年)のタイムリーなどで2点を先制。二回には敵失を絡めて加点。さらに三回には主砲で4番・宮下樹(6年)の三塁打、続く6番・吉田篤翔(5年)のセンターオーバーで点を重ね、試合の主導権を握った。
5-5の同点で迎えた四回裏、8番・山内日向汰(5年)が左翼線を抜く二塁打を放つと、1番・益田恵(5年)の内野安打と二盗で無死二・三塁。ここから内野ゴロの間に1点勝ち越し、さらに3番・後藤洵(6年)のゴロが敵失を誘って追加点。勝負どころでしっかりと加点し、チーム全体が集中力を高めていた。
投げては先発・後藤投手が粘り強く踏ん張り、最後は益田投手が力強い直球で押し切った。今井康博監督は「選手たちが打ち勝ってくれた。球数制限の中でも投手をうまく回せたのが大きい」と笑顔で総括した。
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主将の涙と宣言「次は札幌市長杯」
試合後、松本海斗主将(6年)の第一声は「うれしいです」。その目はわずかに潤み、「これまで頑張ってきたことを思い出しました」と胸の内を明かした。中々勝ち切れず悔しい思いをしてきただけに、優勝の瞬間は格別だった。
「勝因はバッティング。1番から9番まで全員が食らいついて打てた」と誇らしげに語り、さらに「次の目標は札幌市長杯優勝です」と高らかに宣言。主将の言葉にチームメートもうなずき、この日つかんだ自信を胸に次の舞台へ挑む。

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逆境を跳ね返す“鉄北らしさ”
鉄北はこの大会で何度も逆境をはね返してきた。準々決勝では前田リトルに0-6と大量リードを許しながらも、諦めることなく一打ごとにつなぎ、終盤に打線が爆発。8-7と土壇場での大逆転勝利を収めた。準決勝でも北発寒ファイヤーズに2-4とリードを許す苦しい展開となったが、終盤に連打を重ねて3点を奪い返し、再び逆転で勝利をつかんだ。
こうした試合ごとの粘り強さが、最終的に決勝戦での落ち着いたプレーにつながった。大量失点からでも食らいつき、終盤に力を発揮する姿勢は、チーム全体が積み重ねてきた練習や経験の成果を示すものだった。取られても取り返す、その粘りが鉄北の持ち味であり、決勝での勝負強さにつながったのは間違いない。


北発寒エンジェルス、粘りの準優勝
敗れた北発寒エンジェルスも、最後まで諦めない攻撃を見せた。四回には9番・斉藤橙知(6年)が内野安打で出塁し、すかさず二盗を決めて一死二塁とチャンスを広げた。ここで送りバントを成功させ、一死三塁とすると、続く3番・佐々木蒼志(5年)がセンター前に運ぶタイムリーヒット。スコアを5-5の同点に戻し、逆転への機運を一気に高めた。さらに4番・高田蒼杜(6年)が右線を破る二塁打を放ち、スタンドを大きく沸かせる一打で、ついに6-5と逆転に成功した。
この勢いでエンジェルスが主導権を握るかに思われたが、その直後の守備で勝ち越しを許し、試合の流れを取り戻すことはできなかった。それでも最後まで食らいつき、粘り強い攻撃を見せたナインの姿に、北発寒エンジェルスの応援席からは大きな拍手が送られていた。
試合後、佐々木翔太監督は「決勝で良いゲームができた。経験が少ない中でも選手たちはしっかり戦ってくれた。普段から“簡単に三振しない”ことを意識して取り組んできた練習の成果が少し出たと思う」とコメント。すでに視線は次なる札幌市長杯に向けられており、「一戦一戦を大切に戦っていく」と力強い姿勢を強調していた。

北発寒ファイヤーズ、光陽ヤンキースも存在感
準決勝で敗れた北発寒ファイヤーズの木下雅博監督は「北区のチームと戦える良い大会。先制したが、鉄北の打線に押し切られた」と振り返った。序盤に4点を先取し、試合の流れを引き寄せかけたものの、終盤にかけて少しずつ点差を詰められ、最後は鉄北の粘り強い打線に逆転を許した格好となった。木下監督は「流れとしては悪くなかったが、最後に5年生投手の益田君に抑え込まれてしまった」とも話し、課題と収穫を整理していた。同チームは来週から始まる札幌市長杯ブロック予選、そして9月からの新人戦を見据え、再び調整に力を注ぐ予定だ。
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一方の光陽ヤンキースは、3位決定戦を制して表彰台を確保した。主将・石田彪人は試合後に「1位を取れなかったのは悔しいけれど、3位を取れたことは嬉しい」と素直な気持ちを語った。さらに「チームの一番のウリはバッティング。特に長打力のある小倉光翔に注目してほしい」と胸を張った。光陽ヤンキースは、打撃力に加えてベンチの雰囲気が常に明るく、声を掛け合いながらプレーする姿が特徴である。試合中も仲間を鼓舞する声が響き渡り、3位という結果につながった。チーム全体を包む前向きな空気が、次の大会でも力を発揮する原動力となりそうだ。

イニングスコア
◆決 勝(8月24日、太陽C球場)
手稲鉄北イーグルス7-6北発寒エンジェルス
北発寒エンジェルス
02220=5
2212x=7
手稲鉄北イーグルス
(五回時間切れ)
(北)日隈、高田ー高田、田中
(手)後藤、吉田ー宮下
▽三塁打:宮下(手)
▽二塁打:高田2(北)、松本、小林、吉田、山内(手)
◆準決勝(8月24日、太陽C球場)
北発寒エンジェルス7-5光陽ヤンキース
光陽ヤンキース
23000=5
1033x=7
北発寒エンジェルス
(五回時間切れ)
(光)工藤、堀江ー森
(北)佐々木、田中ー高田
▽本塁打:日隈(北)
▽二塁打:堀江(光)、高田、長屋(北)
手稲鉄北イーグルス5-4北発寒ファイヤーズ
北発寒ファイヤーズ
04000=4
00113=5
手稲鉄北イーグルス
(北)帆苅、鈴木、平野ー北山
(手)松本、益田ー宮下
▽三塁打:大沢(北)、松本、宮下(手)
▽二塁打:渡辺(北)、後藤(手)

表彰選手
▽最優秀選手賞
後藤 洵(手稲鉄北イーグルス)
▽優秀選手賞
益田 恵(手稲鉄北イーグルス)
日隈隆也(北発寒エンジェルス)
▽敢闘選手賞
新沼 楓(手稲鉄北イーグルス)
長屋結人(北発寒エンジェルス)
北山 楓(北発寒ファイヤーズ)
堀江志翔(光陽ヤンキース)
トーナメント表

学童球児に届けたい拍手――挑戦が未来をつくる
今年で第2回目を迎えた「チャレンジカップINサマー手稲区・北区交流大会」が8月24日に閉幕した。普段は対戦することの少ない他区のチームと相まみえるこの大会は、選手にとって新鮮であり、緊張感に包まれた試合の連続となった。その緊張感こそが、学童球児を大きく成長させるスパイスである。
勝敗はもちろん大切だが、この年代の野球において本当に意味を持つのは「経験」だ。試合を通じて学ぶ一つひとつのプレーや、逆境の中で声を掛け合う姿勢は、彼らの心を確実に強くする。「負けたら終わり」ではなく「辞めたら終わり」。挑戦を続ける限り、野球は選手を裏切らない。
今回の大会でも、多くの選手が悔し涙を流し、また笑顔で仲間と勝利を喜んだ。そのどちらもが未来につながる貴重な糧となる。勝っても負けても、前を向く子どもたちに心から拍手を送りたい。(書き手・大川祐市)
協力:手稲区少年軟式野球連盟