宮城県で開催された「目指せ!愛媛・スポ少2026 2days in MIYAGI」で、北海道代表・函館本通JBCが堂々たる快進撃を見せた。12月7日に行われた準決勝では、秋田県代表・仙北MⅡBCに6–2(五回時間切れ)で勝利し、続くダブルヘッターの決勝へ駆け上がった。青森県の強豪・弘前レッドデビルズとの頂上決戦は、互いに一歩も引かない攻防の末、4–4のまま試合終了。大会規定のタイブレークには進まず、日没のため抽選で敗れる形となったが、函館本通JBCは最後まで“野球では負けなかった”。
相場監督は「この時期にこの緊張感で4試合できたことは、選手にとって大きな価値がある」と胸を張った。
準決勝・仙北MⅡBC(秋田県)戦
2–2の同点で迎えた三回、函館本通JBCは敵失と2番・佐々木逞斗(5年)のセンター前を足がかりに、一気に機動力で相手守備を揺さぶる。二、三塁と好機を広げると 二者連続スクイズ が決まり、一挙2点を奪って4–2と勝ち越した。
四回には7番・石岡楓奏(5年)がレフトオーバーの二塁打で出塁。相手のミスにも乗じて加点し、試合の流れを完全に掌握。五回には4番・渡辺嵩叶(5年)が左翼へ大飛球となる三塁打を放ち、一死一・三塁から6番・松田龍乃輔(5年)の内野ゴロの間に三走・渡辺が生還して加点した。
ここで大会規定による時間切れとなり、 6–2で勝利。
1、2回戦同様、盤石の試合運びで準決勝も危なげなく勝利した。
チーム全体が落ち着いて自分たちの野球を貫き、特に機動力を絡めた攻撃が冴え渡った。相場監督も「泥臭く点を取る形がしっかりできていた」と語るように、選手たちは状況判断の良さと勝負強さを随所に発揮した。
こうして勢いそのままに、函館本通JBCはダブルヘッターとなる決勝の大舞台へと駆け上がった。
対戦相手は北日本屈指の強豪・弘前レッドデビルズ。互いに譲らぬ意地と意地がぶつかり合う熱戦が待ち受けていた。
◆準決勝(7日、名取市民球場)
函館本通JBC(北海道)6-2仙北MⅡBC(秋田県)
仙北MⅡBC
20000=2
20211=6
函館本通JBC
(五回時間切れ)
(仙)藤井、茂木ー小松
(函)木村、渡辺、倉部ー松田
▽三塁打:小松(仙)、渡辺(函)
▽二塁打:佐々木、石岡(函)


決勝・弘前レッドデビルズ(青森県)戦
決勝の相手は北日本屈指の強豪・弘前レッドデビルズ。相場監督も「投打のバランスが良い、手ごわい相手」と評する強敵だった。
1–1で迎えた二回、7番・松田龍乃輔(5年)のレフト前ヒットから攻勢を開始。9番・松澤周(5年)のバントヒットが相手の失策を誘い、一走の松田が一気に生還。機動力を生かした攻めで 2–1と逆転 に成功した。
その後逆転を許したが、四回には二死から四球とバッテリーミスで三進。ここでも粘り強く相手の隙を突き、 3–3の同点 に戻した。

最終回となった五回、一死から四球とバッテリーミスで一死二、三塁の好機。吉田伊吹(5年)の内野ゴロの間に三走・渡辺が生還し、 4–3と勝ち越し。しかしその裏、一死から相手4番にレフトオーバー三塁打を浴び、続く打者のセンター前タイムリーで再び 4–4の同点 とされた。
日没が迫る状況のためタイブレークには進まず、抽選による決着で弘前が勝利。函館本通JBCは惜しくも準優勝となった。
相場監督は試合後、選手たちの奮闘を誇らしげに語る。
「しぶとく出塁し、機動力でかき回して、ヒットは2本でもスコアではイーブンに持ち込めた。弘前さんの外野オーバーを連発できる打力は本当に脅威だったが、うちの選手たちも怯むことなく泥臭く点を取りきった。この時期に、この緊張感で4試合できたことは大きい」
また今大会では、エースナンバー1の佐々木が肩の不調で登板できなかったが、その分左腕の倉部、木村が奮投。「投げるごとに良くなった」とその成長を評価した。
さらに、準決勝と決勝で昭和ブルーホークスが応援に駆けつけてくれたことについて、「本当に嬉しかったし、力になった」と感謝の思いを口にした。
◆決勝(7日、名取市民球場)
函館本通JBC(北海道)4-4弘前レッドデビルズ(青森県)
※抽選の結果、弘前レッドデビルズが勝利。
函館本通JBC
11011=4
10201=4
弘前レッドデビルズ
(五回時間切れ)
(函)倉部、渡辺ー松田
(弘)永野、斉藤ー斉藤、山本
▽三塁打:山本2(弘)
▽二塁打:斉藤(弘)


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<発行人>
準決勝を快勝し、決勝では抽選での惜敗ながら“野球では敗れていない”函館本通JBC。相場監督が語ったように、この大会で積んだ4試合の緊張感と経験は、選手たちに大きな価値を残した。北日本の舞台で示した存在感は、来季への確かな希望につながる。

2days in MIYAGI・最終結果

協力:函館本通JBC
