攻撃力と継投の安定感が光る2連勝で準決勝へ前進
宮城県で開催中の「目指せ!愛媛・スポ少2026 2days in MIYAGI」で、北海道代表として挑む函館本通JBCが、初戦の八戸ベースボールクラブ戦に続き、ダブルヘッターとなった2回戦でも岩手ベースボールクラブを7–2で快勝。発足一年目の新チームながら北日本の舞台で堂々たる戦いを見せ、見事ベスト4へ進出した。スクイズや走塁を絡めた機動力、そして安定した継投が光る2連勝。若いチームが見せる成長と結束は、準決勝へ向けて大きな期待を抱かせる。
初戦は機動力とタイムリーで逆転劇──八戸ベースボールクラブ戦
初陣となった1回戦、函館本通JBCは0–1と追う初回、1番・赤井翔真(5年)がレフトオーバーの二塁打で一気にチャンスを作る。犠打で三進するとスクイズを仕掛け、クロスプレーの末に同点。さらに二盗を決め、5番・渡辺嵩叶(5年)がレフト前へ勝ち越しのタイムリーを放ち、序盤で2–1と試合をひっくり返した。
二回は7番・松田龍乃輔(5年)の四球と二盗、犠打で作った一死三塁の場面から、9番・石岡楓奏(5年)がスクイズを成功。三回には6番・吉田伊吹(5年)のライト前2点タイムリーで加点し、流れを完全に掌握した。
投げては渡辺、木村勇翔(5年)、倉部倖多(5年)が1失点に抑える継投で勝利をつかんだ。
相場監督は、初戦の攻撃についてこう振り返る。
「送りバント、セーフティスクイズ、スクイズは得点率に直結するので、普段から意識して取り組んでいます。初戦はその土台の上にタイムリーも出て、“1点取れるところで1点を取る”という最低限の仕事ができました。緊張の中でも必要な戦いができ、ミスが出ても誰かが必ずカバーしていた点は評価できます。」
◆1回戦(6日、高砂中央公園運動広場(仙台市))
函館本通JBC(北海道)5-1八戸ベースボールクラブ(青森県)
八戸ベースボールクラブ
100000=1
21200x=5
函館本通JBC
(八)堀田澤、田村、中山ー田村、田中
(函)渡辺、木村、倉部ー松田
▽二塁打:赤井、木村(函)


2回戦は序盤の4点と終盤の3点で試合を決める──岩手ベースボールクラブ戦
2試合目となった2回戦でも、函館本通JBCは序盤から一気に攻め立てた。初回、敵失と安打、四球で満塁とすると、5番・倉部の内野ゴロで1点先制。6番・吉田の内野ゴロが敵失を誘い、さらに2点を追加。続く7番・松田がセンターオーバーのタイムリー二塁打を放ち、この回4得点を挙げた。
中盤に4–2と迫られるも、五回に再びギアを上げる。4番・渡辺の内野安打から二死二塁とし、6番・吉田の内野ゴロが敵失を誘い加点。そしてこの日2長打の7番・松田がライトオーバーのランニングホームラン。2点を加え、勝負を決めた。
投手陣は木村→渡辺→倉部→渡辺の継投で粘り強く試合を締めた。
相場監督は投手陣について、こう信頼を寄せる。
「本来のピッチングをまだ十分に出せていませんが、“悪いなりに”最少失点で粘ってくれている点は大きいです。今日の2試合を経験したことで、明日はもっと自分たちの野球ができるはずです。準決勝、そして決勝を勝つためには100%に近い力が必要です。」
◆2回戦(6日、高砂中央公園野球場(仙台市))
函館本通JBC(北海道)7-2岩手ベースボールクラブ(岩手県)
岩手ベースボールクラブ
002000=2
40003x=7
函館本通JBC
(岩)山下、工藤ー工藤、山下
(函)木村、渡辺、倉部、渡辺ー松田
▽本塁打:松田RH(函)
▽二塁打:松田2(函)

1日2試合を勝ち切った背景にある“成長”と“のびのびさ”
ダブルヘッターという厳しい条件を集中力を切らさず勝ち切れた理由を問うと、相場監督はこう語った。
「道外大会は初めての経験でしたが、この2試合で大きく成長しました。準決勝では今日以上に実力を発揮してくれると思います。選手たちがのびのびとプレーできるよう、しっかり気持ちを乗せながら戦います。」
北日本の頂へ──若い力が挑む次なるステージ
新チーム発足から短期間ながら、スクイズ・走塁を絡めた攻撃と継投の安定感を武器に2連勝で4強入りを決めた函館本通JBC。
勢いそのままに挑む準決勝は、チームの真価が問われる大一番となる。
北日本の舞台で存在感を放つ若い力が、新たな歴史を刻む準備を着々と進めている。
トーナメント表

協力:函館本通JBC
