加藤遙真、再起への道を「たきうち」で歩み始める
札幌市中央区の「たきうち整形外科スポーツクリニック」。
多くのアスリートが再びフィールドに立つために訪れるこの場所で、旭川大雪ボーイズ出身・立命館慶祥高校1年の加藤遙真(かとう・はるま)選手もリハビリに励んでいる。
春・夏と1年生ながらベンチ入りし、強豪校の先輩の背中を間近で見つめてきた右のスラッガーは、この秋に靭帯完全断裂という現実と向き合うことになった。
「驚きが大きかった」。
痛みの少なさゆえに気づけなかった大怪我——それでも彼の言葉と表情には、前を向く強さがあふれていた。
加藤遙真(かとう はるま)
立命館慶祥高等学校/1年
右投げ、右打ち
171センチ、82キロ
家族は両親と弟の4人
野球歴は、学童時代に東川大雪野球少年団に所属し、小学6年時には高野山旗全国大会に出場。秋には旭川選抜にも選出された。
中学では旭川大雪ボーイズに所属し、3年春の選抜大会では全国ベスト8進出に貢献した。
“異変”は夏休み頃から。しかし強く痛むことはなかった
札幌市中央区にある「たきうち整形外科スポーツクリニック」は、多くのアスリートが治療とリハビリを通じて再スタートを切る場所だ。ここで今、怪我からの復帰を目指し汗を流しているのが、立命館慶祥高校1年の加藤遙真選手である。
高校入学後の春、一度痛みが強い時期があり、MR検査では「軽い炎症」と診断された。その後は痛い時期と痛くない時期を繰り返しながらも、プレーには支障が出ない場面も多かったという。
「夏休み頃から少し痛みの日が増えましたが、普通に投げられていたので病院には行きませんでした」
そのまま秋の大会を完走。大会終了翌日の10月20日、念のため身体をチェックしようと再受診すると、医師から伝えられたのは意外すぎる診断だった。
――靭帯の完全断裂。
「驚きました。そこまで強い痛みもなく、自覚症状もほとんど無かったので…」
11月12日、すぐに手術へ。痛みではなく“事実”が彼を手術台へ向かわせた。
2月からボールを握る段階へ。地道なリハビリの日々
復帰のロードマップは明確だ。
手術から3か月後の 2月中旬に投球再開。
そこから段階的に強度を上げ、5月頃の本格復帰を目指すという。
「週2回は最低でも通おうと思っています。今は力を少しずつ戻す段階で、ボールを握る程度です」
地味でしんどいメニューも多い。それでも彼は淡々と取り組む。
「ここを乗り越えれば戻れる。スタッフの方も親身になって提案してくれるので、本当に助かっています」
寒さで痛みが強くなることもあった。
「もっと投げ方に気を配っておけばよかった」と、静かに自分を振り返った。
東川大雪少年団での原点と、全国ベスト16の記憶
野球を始めたのは小学2年生。
東川大雪野球少年団の仲間・奥住 銀(現・旭川明成高校1年)の存在がきっかけだった。
小6で挑んだ高野山旗全国大会では全国ベスト16入り。
静岡代表・長泉ブルースターズとの3回戦は1–7で敗れたが、最終回の1点について今も鮮明に覚えている。
「相手は強かったけど、最後にみんなで1点を取りに行けたのが嬉しかった。すごく楽しい試合でした」
当時のスローガン「夢は叶うベストラン」は、今も胸に刻まれている。
旭川大雪ボーイズで経験した“全国ベスト8”
中学では旭川大雪ボーイズへ。
小学6年時に旭川選抜で共に戦った仲間が多く進むと聞き、「この仲間たちとなら頑張れる、楽しめる」と迷いはなかった。
春の選抜大会では全国ベスト8へ快進撃。
北海道では土での練習がほとんどできない中、大会前日の雨の中で2時間だけ土の感触を確かめただけの状態だった。
「外で練習できるようになった時の開放感が忘れられない。初戦の高松ボーイズ戦も本当に楽しかった」
強く振ることを大切にしてきた“スイングの強さ”。それが彼の武器である。
高校野球で痛感した「甲子園の重さ」
高校では春・夏とベンチ入りし、2学年上の先輩たちの姿勢、覚悟に触れた。
「あれほどすごい先輩たちでも北海に勝てず、甲子園に行けなかった。現実の厳しさを感じました」
だからこそ、自分たちの代で必ず活かすという決意がある。「最初だけの選手」では終わらない
1年の春から試合に関わったぶん、怪我からの復帰後に誤解されたくない。
「戻ったときに“最初だけだった”と思われたくない。復帰後はチームを引っ張れる存在になりたい」
その言葉には、静かだが確かな芯があった。
家族への感謝
「怪我して落ち込んだときも、たくさん連絡をくれて支えてくれました。離れて暮らしていても、いちばん応援してくれています。本当にありがたいです」
彼の成長の根底には、家族の支えがある。
発行人より
加藤遙真選手は、学童・中学時代からその名を知る選手の一人だ。
中学時代には「スイングスピード測定」では当時、中学トップレベルを記録した選手でもある。
立命館慶祥でも中軸として期待される存在であることは間違いない。
まずは焦らず、しっかりと治し、万全の状態で夏を迎えてほしい。
札幌都心部で評判の「たきうち整形外科スポーツクリニック
「たきうち整形外科スポーツクリニック」は札幌都心部(札幌市中央区南1西6、北辰ビル2階)に位置する利便性と、専門性の高い診断、治療を行うスポーツクリニックとして全道的に名が知られている評判の整形外科病院。
瀧内院長は、プロ野球帯同ドクターや高校野球全道大会の担当医師などを務める、スポーツ障害治療の第一人者で活躍している。
また、リハビリ担当の理学療法士らも豊富な知識と経験を持ち、迅速かつ確実な治療で患者の日常生活への早期復帰をサポートしている。
当サイト・ストライクで連載した瀧内院長の「ドクターのフォームチェック」は野球少年・少女ら選手・監督やコーチにも人気となった。
♦問い合わせ♦
たきうち整形外科スポーツクリニックへの問い合わせはメール、info@takispo.jp
011-241-8405へ。携帯電話から受付対応する「シマフクロウ・コール」が便利。
☆受付・診療時間☆
昼の部=午前11時~午後3時(水曜日除く)
※第1、3土曜日診療は昼の部のみとなります。
夜の部=午後4時30分~午後8時(水曜日は夜のみ診療)
休診日=日曜・祝日、第2、4、5土曜日
取材協力:たきうち整形外科スポーツクリニック
