
6月4日、札幌市中央区の「たきうち整形外科スポーツクリニック」。復活を目指す中学生アスリートが、再び“夢”へと歩を進めていた。北海道豊浦中学校3年の松尾莉玖君。肩の痛みに見舞われた5月から3週間。野球ができる喜びを改めて感じながら、チームの仲間とともに中体連に臨む。あの逆転劇、あの涙の敗戦を胸に、走り続ける主将の姿があった――。
〇松尾 莉玖(まつお・りく)
北海道豊浦中学校・3年
171cm/53kg 右投右打
野球歴:西胆振ユナイトBBC、豊浦シーガルス出身

肩の痛みを乗り越えて――中体連出場へ「行けそうです」
「もう痛みはありません。今週の7日、8日の中体連、行けそうです」。
診察後、晴れやかな表情でこう語ったのは、北海道豊浦中学校3年・松尾莉玖(まつお・りく)君。彼は軟式クラブチーム「西胆振ユナイトベースボールクラブ」の主将として、今夏の中体連を“最後の舞台”と位置づけている。
5月のアクシデント、頼ったのは“信頼の病院”
去る5月10日、練習中のキャッチボール。何気ないひと投げの後に、右肩に走った痛み――。「これはマズいかも…」。すぐに監督に相談し、その後はボールを握ることなく様子を見た。
しかし、回復は思わしくない。キャッチボールを再開しても、痛みはぶり返すばかりだった。
迷わず向かったのは、札幌市中央区にある「たきうち整形外科スポーツクリニック」。
小学校5年生の時にも肩を痛めた経験があり、その際に診てもらった信頼の病院だ。5月14日の受診で「肩関節損傷」と診断された。原因は“肩に負担がかかる投げ方”だという。
2週間後の6月4日、再診を受けた松尾君に、医師は「もう通院の必要はない」と伝えた。同日は理学療法士から投球フォームの改善指導も受け、ただ休むだけでなく、「学ぶ時間」でもあった。この経験こそ、松尾君自身にとって大きな財産となったのではないだろうか。
野球との出会いは、豊浦のグラウンドから
野球との出会いは、小学校に上がる前。豊浦小学校のグラウンドで、地元チーム「豊浦シーガルス」が練習していた。その光景に、自然と心を奪われた。
「気がつけば、バットとグローブを握っていました」
父は、甲子園出場経験のある名門・東海大四高(現・東海大札幌)の野球部出身。そんな父の背中を見て育ったことも、松尾君の野球人生を自然に後押ししていた。
忘れられない逆転勝利、そして南北海道大会へ
一番の思い出を尋ねると、少し目を細めてこう話した。
「高円宮賜杯・西胆振予選の準決勝。相手は伊達パンダースでした」
最終回までリードを許す苦しい展開。しかし、仲間たちの連打で逆転に成功し、その裏をしのいで勝利を掴んだ。
その勢いのまま決勝も制し、チームは西胆振代表として高円宮賜杯全日本学童・南北海道大会へ。
だが、初戦の相手は好投手・柴田悠吾投手(現・北空知深川リトルシニア・3年)を擁する深川一已バトルズ。力及ばず、涙をのんだ。
その年の秋には、西胆振地区の選抜チーム「西胆振選抜」に選出され、気心の知れた仲間とともに、現在も「西胆振ユナイトベースボールクラブ」でプレーを続けている。
「中学でも、また同じ仲間とチームを組めたことが嬉しかったです」
新体制チームの柱として、“全員野球”をけん引
今春から新体制となったチームは、戦う姿勢にも変化が生まれている。
「全員野球、チーム一丸」というスローガンのもと、最後の夏に向けて士気を高めている。
松尾君は1番・遊撃手。守備では好守で投手を支え、攻撃では出塁率の高さと走塁力でチャンスを演出する。
「ベースランニングは常に最短距離を意識しています。盗塁では投手の癖を見抜き、スタートを切れるように集中しています」
バットを構える時に考えているのは、「出塁」のこと。
「ストライクとボールをしっかり見極めて、四球でも出塁してチームに流れをもたらしたいです」
憧れる選手は、福岡ソフトバンクホークスの周東佑京選手。自身とタイプが近く、「走って、守って、出塁できる選手」が目標だという。
主将の覚悟――「違う考えをまとめる難しさとやりがい」
取材の最後、「主将として大変なことは?」と尋ねると、こう答えてくれた。
「全員が違う考え方を持っていて、それをまとめるのは難しい。でも、だからこそやりがいがある。自分がみんなの中心でいられるよう、責任を持って行動したいです」
肩の故障を乗り越え、再び野球ができることの喜びを胸に。
この夏、松尾莉玖君は、仲間とともに“最後の一勝”をつかみに行く。

札幌都心部で評判の「たきうち整形外科スポーツクリニック
「たきうち整形外科スポーツクリニック」は札幌都心部(札幌市中央区南1西6、北辰ビル2階)に位置する利便性と、専門性の高い診断、治療を行うスポーツクリニックとして全道的に名が知られている評判の整形外科病院。
瀧内院長は、プロ野球帯同ドクターや高校野球全道大会の担当医師などを務める、スポーツ障害治療の第一人者で活躍している。
また、リハビリ担当の理学療法士らも豊富な知識と経験を持ち、迅速かつ確実な治療で患者の日常生活への早期復帰をサポートしている。
当サイト・ストライクで連載した瀧内院長の「ドクターのフォームチェック」は野球少年・少女ら選手・監督やコーチにも人気となった。
♦問い合わせ♦
たきうち整形外科スポーツクリニックへの問い合わせはメール、info@takispo.jp
011-241-8405へ。携帯電話から受付対応する「シマフクロウ・コール」が便利。
☆受付・診療時間☆
昼の部=午前11時~午後3時(水曜日除く)
※第1、3土曜日診療は昼の部のみとなります。
夜の部=午後4時30分~午後8時(水曜日は夜のみ診療)
休診日=日曜・祝日、第2、4、5土曜日
取材協力:たきうち整形外科スポーツクリニック