右肘の剥離骨折で初めて味わった“投げられない苦しさ”。それでも南方颯太は立ち止まらなかった。フォーム改善と地道なリハビリを重ね、支えへの感謝を胸に今季100安打を目指す。
余市強い子野球スポーツ少年団に所属する南方颯太君(新5年)は、今年1月に右肘の剥離骨折を経験した。小学1年生から野球を始め、投げることが大好きだった少年にとって“ボールを投げられない日々”は、これまで味わったことのない苦しみだった。
それでも、ただ落ち込むだけでは終わらなかった。リハビリを通じてフォーム改善に取り組みながら、一歩ずつ前進。今では試合にも出場し、ショートとしてグラウンドを駆け回るまでに回復している。
ケガを経験したからこそ見えた景色がある――。南方君の言葉には、少年ながら確かな成長の跡がにじんでいた。
南方 颯太(みなみがた そうた)
余市強い子野球スポーツ少年団所属。新5年生。
右投げ、左打ち。
146センチ、39キロ。
家族は両親と姉の4人。
小学1年生から野球を始める。ポジションは遊撃手、投手、外野手。父の影響で野球を始め、現在は「大谷翔平選手」に憧れる。今季目標は100安打。将来は“みんなに憧れられる選手”になることを目指している。
「ジンジンする」初めての痛み 突然襲った右肘の異変
異変が起きたのは今年1月。ピッチング練習中だった。
「キャッチャーに座って投げた時、急にジンジンする痛みがきました」
それまで感じたことのない痛みだった。すぐに練習を中断し、そのままノースローに。後日、小樽市内の整形外科を受診すると診断は右肘剥離骨折だった。
「骨折と聞いた時が一番つらかったです。投げられなくなるのが嫌でした」
投手も務める南方君にとって、“投げられない”という現実は何より苦しかった。
セカンドオピニオンで見えた希望 “今が変わるチャンス”
最初の診断後、約1カ月ノースローで経過観察。しかし症状は大きく改善せず、家族は別の可能性を求めて「たきうち整形外科スポーツクリニック」を受診した。
2月24日の初診時、医師から伝えられたのは前向きな言葉だった。
「痛みがある今が、フォームを変えるチャンス」
以降は2週間に1度の通院を続けながら、テーピングや投球フォーム改善を中心としたリハビリを開始。レントゲンでも悪化は見られず、現在は「新しい骨も見えてきた」と順調な回復を見せている。
「フォームが大事」 ケガから学んだ大切なこと
今回の経験で、南方君が強く感じたことがある。
「投げ方って大事なんだなって思いました」
まだ少年野球を始めて数年。フォームが固まり切る前だったこともあり、新しい投げ方への適応も比較的スムーズだったという。
「少し難しかったけど、だいぶ慣れてきました」
ケガを“マイナス”で終わらせず、“成長のきっかけ”に変えている姿がそこにはあった。
守って打って声を出す チームを支えるショートの自覚
現在はショートとして試合にも出場中。プレーで意識しているのは守備だ。
「ちょっと右側の三遊間よりの打球を取ってアウトにできた時がうれしいです」
昨季はセンターや投手も経験。守備の要を担いながら、チームの5年生チームではキャプテンを支える“副キャプテン”的存在でもある。
「困っていたら自分が声を出してまとめます」
小学5年生とは思えない落ち着きと責任感。周囲を見て動けるあたりに、南方君の人間性がにじむ。

目標は“100安打” 悔しさを力に変えるシーズンへ
今季の目標は明確だ。
「100安打です」
昨季は96試合で98安打。あと2本届かなかった悔しさがあるからこそ、その数字には強いこだわりがある。
まもなく本格開幕を迎える2026シーズン。
肘の不安と向き合いながらも、南方君の目はすでに前を向いている。
「支えてくれている人たちにありがとうを伝えたいです」
苦しさを知ったからこそ、人への感謝も知った。
ケガは決して遠回りではない。南方颯太という少年を、ひと回り大きくするために必要な時間だったのかもしれない。

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発行人コラム
試練が育てる、確かな強さ
南方君は2年前、滋賀県多賀町で行われた「多賀グリーンカップ」に出場した北海道チャンピオンシップ選抜の一員だった。準々決勝でチームは0-1の惜敗。その悔しい敗戦のマウンドに立ち、五回を投げてわずか1失点と力投していたのが南方君である。味方の援護を信じ、最後まで腕を振り続けた。
ひとたびマウンドに立てば、普段の柔らかな表情から一変する。勝負の世界に身を置いた瞬間、彼の目つきは変わる。小学生とは思えぬ集中力と、土壇場でも動じない精神力。
だからこそ、今回の右肘剥離骨折は本人にとって大きな試練だったはずだ。投げたいのに投げられない。好きなことを思うようにできない苦しみは、経験した者にしか分からない。しかし、南方君はその苦しみから逃げなかった。フォーム改善と向き合い、野球と真剣に向き合い、自分自身と向き合った。
ケガは決してマイナスだけではない。苦しい時間を経験した選手ほど、人の痛みを知り、感謝を知り、強くなる。今回の試練は、南方君を“ただ野球が上手い選手”から、“人としても大きな選手”へと押し上げるきっかけになるだろう。
この経験を糧に、彼が再びマウンドに立つ時――きっと2年前より、さらにたくましい姿を見せてくれるはずだ。
札幌都心部で評判の「たきうち整形外科スポーツクリニック
「たきうち整形外科スポーツクリニック」は札幌都心部(札幌市中央区南1西6、北辰ビル2階)に位置する利便性と、専門性の高い診断、治療を行うスポーツクリニックとして全道的に名が知られている評判の整形外科病院。
瀧内院長は、プロ野球帯同ドクターや高校野球全道大会の担当医師などを務める、スポーツ障害治療の第一人者で活躍している。
また、リハビリ担当の理学療法士らも豊富な知識と経験を持ち、迅速かつ確実な治療で患者の日常生活への早期復帰をサポートしている。
当サイト・ストライクで連載した瀧内院長の「ドクターのフォームチェック」は野球少年・少女ら選手・監督やコーチにも人気となった。
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011-241-8405へ。携帯電話から受付対応する「シマフクロウ・コール」が便利。
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取材協力:たきうち整形外科スポーツクリニック
