北海道栄高校 三浦龍神 ――怪我を乗り越え、再びマウンドへ
千歳桜木メッツで白球を追いかけた少年が、いま白老の地で新たな夢に挑んでいる。
北海道栄高校の三浦龍神(2年)は、右ひじの手術を経て再起の道を歩む最中だ。
「もう一度、投手として試合を支配したい」――。痛みと向き合いながらも前を向く姿に、野球への純粋な情熱と、人間としての強さがにじむ。

三浦 龍神(みうら りゅうせい)
北海道栄高・2年
恵庭リトルシニアー千歳桜木メッツ出身
右投げ、右打ち
180センチ、74キロ
家族は両親と兄と弟2人、妹の7人。
何度も繰り返した痛み――“もうダメだ”と思った日
最初の異変は小学4年のとき。ピッチング中に右ひじに痛みが走った。
一度は回復したが、中学・高校と進む中で「治っては痛めて」を何度も繰り返した。
そして高校1年の秋。ピッチング練習中に再び痛みがぶり返し、病院で「右ひじの剥離骨折と靭帯損傷」と診断された。
「最初は全治2〜3週間と聞いて、すぐ治ると思っていました。でも、何度も痛めて、もう無理だなと思いました」
秋季大会の出場を断念し、来年の“最後の夏”にすべてを懸ける決意を固めた。
そして、迷わず選んだのはトミー・ジョン手術だった。
「手術を受けたのは6月25日。今は軽く塁間まで投げられるようになって、回復を実感しています。リハビリの進行次第で、来年1月にはピッチングを再開できる見通しです」
少年時代に吹いた“桜木メッツ旋風”
野球を始めたのは小学1年の終わり頃。兄の影響で始めた野球が楽しくて、すぐに入団を決めた。
桜木メッツ時代、一番の思い出は小学6年時の「全日本学童マクドナルド・トーナメント南北海道大会」への出場だ。
千歳支部代表として挑んだ南北海道大会では、1回戦で厚真ファイターズに8―1と快勝。続く2回戦では強豪・拓勇ファイターズを2―1で下し、ベスト4進出を果たした。準決勝では函館支部代表の七小野球スポーツ少年団に3―4で惜しくも敗れたものの、千歳支部として大きな躍進を遂げた。大会では、三浦選手は投手兼左翼手として出場し、チームの中心として活躍した。
恵庭リトルシニアで掴んだ自信と、北海道栄で学ぶ覚悟
中学では硬式の恵庭リトルシニアに進んだ。理由はシンプルだった。
「父が恵庭で働いていて、会社のつながりもあって自然と決まりました」
恵庭リトルシニアで三浦は才能を開花させる。
中学2年の秋には秋季全道大会・決勝で札幌大谷リトルシニアを破り、チーム史上初の秋季全道制覇を達成。
「春の全国選抜大会では大阪交野リトルシニアに負けましたが、レフト前タイムリーを打てたことは今でも覚えています」
高校は、同じリトルシニア出身の先輩・織田煌さんの存在もあり、北海道栄高校を選んだ。
「寮生活にも憧れていました。規律のある生活の中で、自分を磨けている実感があります」
「無理するな」――過去の自分へ、そして同じ境遇の仲間へ
怪我を通して痛感したのは、当たり前に投げられる日々の尊さだ。
「怪我をすると試合にも出られないし、仲間の手伝いしかできない。それが一番つらかった」
リハビリの道のりは決して楽ではなかったが、支えてくれた人たちの言葉が力になった。
「スタッフの方が“今できることを少しずつ増やしていけばいい”って言ってくれた。焦らずに取り組めました」
もし、過去の自分に言葉をかけるなら――。
「“無理するな”と言いたいです。痛みを我慢して投げるより、休んで治すことが大事。焦りが一番の敵です」
そして、同じように怪我で苦しむ仲間たちへも、静かに語りかける。
「自分の体を第一に考えて、焦らずに治してほしい。最後の夏に全力で投げるために」
もう一度、マウンドの上で
投手でありながら、内外野もこなすユーティリティープレイヤー。
その中でも、彼が一番こだわるのは“投手として試合を支配すること”。
高校1年の秋季大会で「伊達開来高校戦(室蘭支部予選)で、6回を無四球1失点で投げられたことが自信になりました。来春は、あの時のような投球を取り戻したい」
再びマウンドに立つその日まで、焦らず、一歩ずつ。
三浦龍神は今日も、白老のグラウンドで静かに球を握る。

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