“全員野球”が躍動し、美浜少年野球クラブとの大一番に挑む
三重県で開催中の「第6回お伊勢さん杯・PRIDE JAPAN全国選抜学童軟式野球大会」で、北海道代表・札幌選抜が初戦・広島皆実BBC戦で20得点、続く2回戦・オール能美戦でも8得点と、札幌選抜が“圧巻の連勝劇”で大会序盤を駆け抜けた。打線は1番・西山を筆頭に長打が次々と飛び出し、松野の3打席連続ランニング本塁打など豪快な攻撃を披露。投手陣も山﨑・西、大浦・西の継投が冴え渡り、まさに全員が機能した2試合だった。
明日の準々決勝の相手は、強豪・美浜少年野球クラブ(和歌山県)。勝利すれば準決勝・決勝の“トリプルヘッダー”が待ち受けるという過酷な一日となる。
それでも札幌選抜の勢いは止まらない――。
師走の伊勢の地で、札幌選抜が頂点まで駆け上がる。
【1回戦・広島皆実BBC(広島県)】
難しい初戦に挑んだ札幌選抜は初回、先頭の1番・西山宗汰郎(東16丁目フリッパーズ/6年)がレフトオーバーへ打球を運び、一気にホームへ駆け抜けるランニング本塁打で先制。幸先の良いスタートを切ると、二死からの四球と相手バッテリーのミスを逃さず2点を奪い、なおも二死二・三塁の好機で8番・松野楓貴(東川下ジャイアンツ/6年)がセンターオーバーのランニング本塁打。初回で一挙6点を奪い、完全に試合の流れを手中に収めた。
.jpg)
試合後、渡辺敦監督はこの初回について
「立ち上がり、相手がしっかり打ってくる中、ピッチャーがしのいだ後の先頭・西山のランニングホームランは大きかった」
と振り返り、さらに
「松野の第1打席の右中間、第2打席の左中間への2本のランニングホームランは凄かった。西山と松野の2人は特にチームに勢いを与えてくれた」
と、チームの流れを決定づけた2人を高く評価した。
勢いそのままに二回には、3番・相馬波心(本郷イーグルス/6年)、5番・北山 楓(北発寒ファイヤーズ/6年)にランニング本塁打が飛び出すと、8番・松野はセンターへの一発に続き、左中間へもランニング本塁打を放つ2打席連続の豪打。計12安打14得点で広島皆実を圧倒した。
この二回の猛攻について、渡辺監督は
「代打攻勢もあり、選手たちはよく振れていた」
と、打線全体の活気と積極性を称賛した。
.jpg)
投手陣も役割を十分に果たした。先発の山﨑幹太(ニュースターズ/6年)は初戦特有の緊張感の中でも落ち着いた投球で2イニングをゼロに抑えると、三回には西 来惟(星置レッドソックス/6年)が登板し、危なげなく1イニングを締めた。
渡辺監督は
「初戦という緊張感の中、先発の山﨑もよくゲームを作ってくれた。リリーフの西も、他の選手たちもそれぞれの役割を果たしてくれた」
と、投手陣を含む全選手の“初戦突破”への貢献を評価した。
初回の爆発、二回の畳みかけ、投手の安定感――。まさに“札幌選抜らしい戦い”で危なげなく好スタートを切った一戦となった。
◆1回戦(26日、伊勢ダイムスタジアム)
札幌選抜(北海道)20-0広島皆実ベースボールクラブ
広島皆実BBC
000=0
6⑭x=20
札幌選抜
(三回コールドゲーム)
(広)鍵本、谷本(2回)ー三戸
(札)山﨑、西(3回)ー松野、松下(3回)
▽本塁打:西山RH、松野RH2、相馬RH、北山RH(札)
▽三塁打:帆苅、鈴木、池内(札)
▽二塁打:清水口、林、帆苅(札)

【2回戦・オール能見(石川県)】
1回戦の勢いをそのまま持ち込んだ札幌選抜は、初回、一死一・三塁から敵失で先制。続く場面では5番・北山 楓(北発寒ファイヤーズ/6年)がきっちりとスクイズを決め、さらに相手バッテリーのエラーも重なってこの回3点を奪い、主導権を握った。
試合後、渡辺敦監督は初回の攻撃について
「先頭の1番・西山が初回にしっかりと打って形を作り、チームに良い流れを呼び込みました。札幌らしい攻撃ができ、初回から3点を先制できたことは大きかったです」
と語り、“仕掛けて獲る”札幌らしい野球ができたことを評価した。
.jpg)
勢いは二回も止まらない。先頭の8番・松野が2試合をまたぐ3打席連続のランニング本塁打を放ち、スタンドを沸かせると、続く1番・西山が四球で出塁し、二盗・三盗を連続で成功。2番・池内颯太(星置レッドソックス/6年)がレフト前タイムリーで走者を返した。さらに4番・清水口真太朗(星置レッドソックス/6年)が右中間を破る2点タイムリーランニング本塁打を放ち、この回だけで5点を積み重ねて試合を決定づけた。
投手陣も攻守のリズムを支えた。先発の大浦幹太(平岡カウボーイズ/6年)はテンポ良くストライク先行の投球を展開し、相手の強力打線を丁寧な投球で抑え込んだ。三回終了までを危なげなく投げ抜くと、四回からは西 来惟(星置レッドソックス/6年)がリリーフ登板。1点こそ許したものの落ち着いた投球で試合を締め、大事な2回戦を勝利へ導いた。
.jpg)
大浦の投球について、渡辺監督は
「初回の大浦のピッチングが素晴らしかったですね。強力な打者が並ぶ中でも丁寧な投球を徹底し、3イニングを危なげなくまとめて持ち味をしっかりと発揮し、試合を作ってくれました」と称賛。西のリリーフを含め、2人の投手が役割を全うしたことを高く評価した。
最後に、あすの準々決勝に向けての意気込みを尋ねると、渡辺監督は
「1、2回戦とも全員が躍動しました。久しぶりのグラウンドでしたが想像以上に打ってくれた。昨日、雨天中止を受け観光に全振りしたのが良かったのかな」
と、選手の状態の良さを感じさせる表情を見せたうえで、
「明日の相手はマック和歌山県代表チーム。単独チームとして強いので、次に勝ち進めるよう一生懸命やるだけです」と気を引き締めた。
“全員野球”でつかんだ2連勝。札幌選抜は、いよいよ強豪との大一番に挑む。
◆2回戦(26日、伊勢ダイムスタジアム)
札幌選抜(北海道)8-1オール能美(石川県)
オール能美
0 001=1
3 50x=8
札幌選抜
(四回コールドゲーム)
(能)村田ー中
(札)大浦、西(4回)ー松野
▽本塁打:松野RH、清水口RH(札)
▽二塁打:帆苅(札)

.jpg)
お伊勢さん杯・PRIDE JAPANトーナメント表

協力:2025札幌選抜チーム
