投手3本柱、厚みある選手層、機動力。昨年以上の完成度を武器に強豪・日南リトルシニアへ挑戦
中学硬式野球の札幌羊ヶ丘リトルシニアが、7月22日から佐賀県を中心に開催される「JA共済第17回林和男旗杯野球大会」に北海道代表として2年連続4度目の出場を果たす。
昨年は初戦で惜しくも敗れ、全国で白星を挙げることはできなかった。あれから一年。チームは経験を積み重ね、守備力、投手力、機動力、そして試合運びの成熟度を高めて再び全国の舞台へ戻ってきた。
今年の目標は明確だ。「全国初勝利」。その最初の相手は、九州屈指の実力を誇る日南リトルシニア。決して簡単な相手ではない。それでも札幌羊ヶ丘は、自分たちが積み重ねてきた野球を信じ、北海道第5代表から全国へ挑戦状を叩きつける。
全国初勝利へ再挑戦 昨年の経験を力に変えて
札幌羊ヶ丘リトルシニアにとって、今年の林和男旗は「再挑戦」の大会である。
昨年は全国大会初戦で敗退。あと一歩届かなかった全国での一勝は、選手たちに大きな悔しさを残した。
だからこそ、今年は違う。
全国大会出場そのものを目標にするのではなく、「全国で勝つ」という次のステージを見据えてチームづくりを進めてきた。
初戦は23日、第3試合で日南リトルシニアと対戦する。
相手は九州大会準優勝の実績を持つ強豪。九州連盟選抜ベスト9には日南のバッテリーが選出されるなど、投手力と捕手を中心とした守りには高い評価が集まっている。
対する札幌羊ヶ丘は北海道連盟第5代表。
立場だけを見れば挑戦者であることは間違いない。しかし、このチームには「挑戦者だからこそ怖さがある」と思わせる総合力が備わっている。

3年生16人だけで挑む全国舞台 結束が最大の武器
今年の札幌羊ヶ丘は、全国大会に登録されたメンバー全員が3年生で構成される16人のチームだ。
人数は決して多くない。
しかし、その16人全員が役割を理解し、一人ひとりがチームの歯車として機能している。
特別なスター選手に頼るのではなく、全員で戦う。
それが今年の札幌羊ヶ丘のスタイルである。
だからこそ、誰か一人が目立つのではなく、試合を重ねるごとにチーム全体の完成度が際立ってくる。

守りから試合を支配する 安定感を増した投手3本柱
札幌羊ヶ丘最大の武器は、やはり守備力だ。
その中心には安定感を増した投手陣がいる。
チームを支えるのは、
- 渡邉咲也(ニュースターズ出身・3年)
- 高柳翔(上野幌サンダース出身・3年)
- 水本志雄(白石リトルファイターズ出身・3年)
の3本柱。
それぞれが異なる持ち味を発揮しながら試合をつくり、長いイニングを任される存在となっている。
さらに中継ぎには福岡良太(アカシヤファイヤーズ出身・3年)、渡邊壮太(真栄ビクトリー出身・3年)が控え、役割を確実に果たしてきた。
先発から中継ぎまで継投の形ができていることも、このチームの大きな強みだ。
守備から流れをつくり、そのリズムを攻撃へつなげる。
札幌羊ヶ丘が目指す野球は、まさにそこにある。


主将・瓜生逞人が支える守備の安定感
守りの中心に立つのが主将・瓜生逞人(北光ジュニアファイターズ出身・3年)だ。
攻守両面でチームを引っ張る存在であり、グラウンドでは常に全体を見渡している。
チーム内にわずかなズレが生じれば、真っ先に気付き、すぐに修正する。
その存在がチーム全体の落ち着きにつながっている。
さらに今年は内外野とも球際の強さが増し、守備範囲や対応力にも磨きがかかった。
派手さより確実さ。
その積み重ねが札幌羊ヶ丘らしい守備をつくり上げている。

「誰が出ても戦える」 厚い選手層が生む強さ
札幌羊ヶ丘のもう一つの特徴は、選手層の厚さである。
もし誰かがケガなどで戦列を離れても、代わりの選手が役割を果たせる準備ができている。
これは普段から全員が試合を意識し、日々の練習を積み重ねてきた証でもある。
レギュラーだけがチームを支えているわけではない。
ベンチも含めた16人全員が戦力となることが、このチームの大きな財産である。

切れ目のない打線 状況判断の高さが光る攻撃陣
攻撃陣もまた、完成度の高さが際立つ。
打線を引っ張るのは、高い出塁率を誇る1番・山田汎晟(厚別桜台パワーズ出身・3年)と、2番・上野流煌(芸術の森Rising出身・3年)。
この二人がチャンスメークし、中軸へとつないでいく。
3番には投打の柱・渡邉咲也。
4番には主将・瓜生。
5番には佐々木渉太(芸術の森Rising出身・3年)が座る。
さらに6番・高柳翔、7番・坂東良馬(北光ジュニアファイターズ出身・3年)にも長打力があり、打線に切れ目がない。
上位だけで終わらず、下位打線からも得点機を生み出せることが、この打線の強みである。

野球IQの高さが支える「考える野球」
今年の札幌羊ヶ丘を語る上で欠かせないのが、選手たちの状況判断能力だ。
試合中、その場面で何をすべきか。
送りバントなのか、進塁打なのか、それとも積極的に打ちにいくのか。
一人ひとりがベンチの狙いを理解し、それを選手同士でも共有できている。
野球は技術だけでは勝てない。
状況を読み、最善の選択を積み重ねることが勝利へ近づく。
札幌羊ヶ丘には、その「考える野球」が浸透している。


機動力が試合を動かす
今年のチームは足を使った攻撃も大きな武器である。
俊足の選手が多く、走塁で相手にプレッシャーを与えられる。
エンドラン。
スチール。
状況に応じて多彩な作戦を繰り出せるのは、それだけ選手たちの技術と判断力への信頼があるからだ。
単に走るだけではない。
「いつ仕掛けるか」を理解していることが、このチームの機動力をより効果的なものにしている。

指揮官が感じる「昨年以上」の完成度
藤橋和男監督は、現在のチームについてこう語る。
「昨年もいいチームだったが、今年は昨年以上の仕上がりを見せている」
短い言葉ではあるが、その一言には大きな期待が込められている。
全国大会を経験した昨年の悔しさ。
積み重ねてきた一年間の努力。
それらすべてが、今年のチームの完成度につながっているという手応えなのだろう。
実際、ここにきて投打ともに調子を上げており、全国大会へ向けて状態は上向いている。

最大の敵は九州の暑さ それでも挑戦は始まる
もちろん、不安材料がないわけではない。
北海道とは気候が大きく異なる九州の暑さは、選手たちにとって未知の環境となる。
体力の消耗は避けられず、試合運びにも影響する可能性がある。
それでも条件は全国大会に出場するすべてのチームが同じだ。
札幌羊ヶ丘は、全国で勝つために準備を重ねてきた。
守りから流れをつくる。
機動力で揺さぶる。
状況判断で相手を上回る。
そして16人全員で戦い抜く。
昨年届かなかった全国での一勝へ――。
北海道第5代表として挑む札幌羊ヶ丘リトルシニアの戦いが、いよいよ佐賀の地で幕を開ける。

ベンチ入りメンバー(7月20日発表予定)
指導者
選手
林和男旗杯全国への軌跡
第54回日本選手権北海道大会
順位決勝戦
◆5位決定戦
〇 8-0 日高
◆8位決定戦
〇 9-3 函館湊西
◆準々決勝
● 3-5 岩見沢
◆3回戦
〇 5-4 室蘭
◆2回戦
〇 14-8 札幌栄
林和男旗杯全国トーナメント表
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協力:札幌羊ヶ丘リトルシニア
