
千葉県千葉市で行われている「第23回千葉市長杯争奪学童野球選手権大会」に北海道代表として初出場した東海Fイーグルス(札幌市)。8月2日、1回戦では三重県代表・栗葉少年野球部に10-0の三回コールドゲームで快勝し、全国の舞台でもその実力を示した。同日のダブルヘッダーで迎えた2回戦は、全国屈指の強豪・オール江戸川(東京都)との対戦。エース本田慶志朗(6年)の粘投で四回まで無失点に抑えたが、終盤に失点を重ね0-9で力尽きた。それでも選手全員が諦めることなく最後まで全力で戦い抜いたその姿は、多くの関係者に感動を呼んだ。次なる舞台・FBC U-12全道大会へ向け、彼らの挑戦は続いていく。

快勝劇、打者一巡の猛攻で三回コールド!
大会初戦、東海Fイーグルスは三重県の栗葉少年野球部と対戦。初回、一死から2番・石川結翔(6年)がレフトオーバーのランニングホームランで先制すると、そこから怒涛の猛攻が始まった。続く3番・本田慶志朗(6年)と4番・武田陽向(6年)が連続死球で出塁し、さらに6番・木村駿太(6年)がセンターオーバーのランニングホームランを放ち、一挙6点を奪取。7番・佐藤翔音(6年)もレフトへ鋭い当たりを飛ばすなど打者一巡で試合を一気に掌握した。
二回には佐藤の犠牲フライで1点を追加。三回には4番・武田、5番・泉慧太朗(6年)の連続タイムリーでさらに3点を加え、スコアは10-0に。投げては先発・泉が安定感抜群の投球を披露し、終盤は本田がマウンドを引き継いで無失点リレー。まさに攻守において理想的な展開での完勝となった。


強豪・オール江戸川に堂々挑戦、粘投で善戦もあと一歩
1回戦直後に行われたダブルヘッダーの2回戦。相手は全国屈指の実力を誇る選抜チーム、オール江戸川。初戦終盤から登板していた本田がそのまま先発マウンドに立ち、キレのある直球と緩急を活かした投球で、強力打線を前に四回まで無失点の快投を見せた。
だが五回、センター前安打と二盗、バッテリーミスで三塁に走者を背負うと、スクイズを外す好判断も生かせず、挟殺プレーでミスが発生し痛恨の先制点を許す。六回からは球数制限により本田が降板し、泉→佐藤→泉と継投するも、勢いに乗ったオール江戸川の攻撃を止められず、大量失点に繋がった。
藤野剛監督は「本田が完封、完投すれば勝機があったかもしれないが、選手全員で本当に粘った試合だった」と試合後に語り、敗れたとはいえ、ベンチ入り16人全員で強敵に立ち向かったナインを讃えた。


「本当に熱い子たち」悔し涙の中に見えた確かな成長
0-9での敗戦にもかかわらず、試合終了後には多くの選手が涙を流しながらも悔しさを噛みしめていた。藤野監督は「実力差がある中でも、選手みんなが最後まで諦めずに必死に戦った。本当に熱い子たち」と話し、成長したナインに目を細めた。
全国大会で得た経験は、間違いなく彼らの大きな財産となる。東海Fイーグルスは大会翌日の3日には東京観光、4日にはディズニーランドを経て札幌に帰還予定。そして次なる戦いは8月9日からのFBC U-12全道大会。初戦は2回戦から登場し、稚内ファイターズとみゆきフェニックスの勝者と対戦する。そのほか札幌選手権大会などビッグタイトルが控える中、全国で得た「一丸の強さ」を胸に、さらなる飛躍を目指す。
※オール江戸川とは、東京都江戸川区の学童(小学生)軟式野球の選抜チームで、区内の複数の少年野球チームから優秀な選手が集められて結成。同チームは国内外の大会で非常に高い実績を誇っており、特に「少年軟式野球世界大会」などでの優勝経験が多く、全国的にも知名度の高いチームと言える。

イニングスコア
◆2回戦(2日、フクダ電子スタジアム)
東海Fイーグルス(北海道)0-9オール江戸川(東京都江戸川区)
オール江戸川
000018=9
000000=0
東海Fイーグルス
(オ)高嶺、砂塚ー阿部
(東)本田、泉、佐藤、泉ー佐藤、本田、佐藤
▽本塁打:高嶺(オ)
▽三塁打:梶田(オ)
▽二塁打:井戸端(オ)
◆1回戦(2日、青葉の森スポーツプラザ野球場)
東海Fイーグルス(北海道)10-0栗葉少年野球部(三重県津市)
栗葉少年野球部
000=0
613=10
東海Fイーグルス
(三回コールドゲーム)
(栗)泉ー佐藤
(東)本田ー佐藤
▽本塁打:石川、木村(東)
▽三塁打:泉(東)
▽二塁打:佐藤(東)
千葉市長杯トーナメント

協力:東海Fイーグルス