高知県・愛媛県で開催中の「ベストフレンドマッチ四国2025」。11月23日、決勝トーナメント1回戦に挑んだU-15女子北海道選抜は、奈良県代表・香久山エンゼルスを4-2で撃破し、堂々の準決勝進出を果たした。24日の準決勝では、2年前の決勝以来となる京都シャイニングヴィーナスと激突する。前回は1-0で勝利し2度目の優勝を決めた因縁の相手。京都は雪辱を懸けて挑んでくることが予想され、厳しい戦いとなるのは必至。悲願の3度目の頂点へ、U-15女子北海道選抜は確かな一歩を踏み出した。
初回から一気に主導権を握る
U-15女子北海道選抜は初回、二死から3番・小林美月(阿寒クレインズ出身)がライト前安打で出塁し、すかさず二盗でチャンスを広げた。ここで4番・新名乃々花(末広近文合同チーム出身)が右中間へタイムリーヒットを放ち先制。流れをつかんだ打線は続く5番・伊藤美嬉(拓勇ファイターズ出身)が左中間を破る二塁打で二、三塁とチャンスを拡大すると、6番・荒井紬希(富原ドルフィンズ出身)がライト前へ2点タイムリーヒット。この回3点を奪い、試合の主導権を握った。
試合後、決勝打を放った荒井は
「まだ1点しか取れていなかったので、ここでさらに2点を取ってやろうという気持ちで打席に入りました。明日はみんなで、チーム一丸となって絶対に優勝したいです」
と力強く語った。
.jpg)
六回の追加点で再び突き放す
二回以降も安打を放ちながら追加点を奪えない時間が続いたが、六回に再び試合を動かす。一死から6番・荒井が内野ゴロで出塁すると、バッテリーミスと三盗で三塁へ進み、8番・菊地里(遠軽西ファイターズ出身)に代わって代打・山下 紬(西部ホワイトファング出身)の内野ゴロが敵失を誘って貴重な追加点。これが勝利を決定づけた。
若きエース・宮本乃々夏、気迫の完投
投げては先発の若きエース・宮本乃々夏(北発寒ファイヤーズ出身)が三回まで9人で抑える完璧な立ち上がり。四回に2つのバックのミスもあり2点を献上したが、気持ちを切らさず最後まで投げ抜いた。
宮本は「立ち上がりをよくすることを考えてマウンドに上がりました。落ち込んでいる時にチームの輪に入って切り替えることができました」
と振り返り、準決勝へ向け
「三振を狙わずに、打ち取ってチームに流れを作れるように頑張りたい」と意気込みを語った。
.jpg)
安達監督が語る“確信のタイム”
安達監督は選手たちの姿を誇らしげに見つめた。
「選手が伸び伸びプレーしている姿を見て、頼もしく、見守るだけでした。かっこよかったです」
四回に1点差へ詰め寄られた場面ではタイムを取ったが、「沈んでいる様子は全くなく、一言“大丈夫!”と伝えて守りきってくれました。戻ってくる時の表情を見て、これなら大丈夫だと確信しました」と迷いのない信頼を口にした。
準決勝については
「相手がどこであってもやるべきことは変わりません。三年生にとっては集大成の大会ですので、後悔をしない一振り、一球にしてほしいです。明日も頑張ります」
と静かに闘志を燃やした。
横山主将、静かなる決意
横山詩知佳主将(中札内パワーズ出身)は
「準決勝は決勝につながる試合にしたいです」と簡潔ながら力のこもった言葉でチームを鼓舞した。
北海道選抜の挑戦は続く。
勝てば決勝、そしてその先には“3度目の頂点”。
運命の準決勝は24日――チーム一丸の戦いが、いよいよ佳境を迎える。
◆決勝トーナメント・1回戦(23日、春野球場)
U-15女子北海道選抜4-2香久山エンゼルス
U-15女子北海道選抜
300001=4
000200=2
香久山エンゼルス
(北)宮本ー新名
(香)森田、田中ー辰巳
▽二塁打:横山、伊藤美、新名(北)、神波(香)

協力:U-15女子北海道選抜
