「凡事徹底」を貫き北海道王者へ 積み重ねたチーム力で全国の舞台へ挑戦
学童野球の星置レッドソックス(札幌市)が、8月8日に岩手県で開幕する「エンジョイ!軟式野球フェスティバル2026」へ北海道代表として初出場する。
第47回スタルヒン杯争奪全道スポーツ少年団軟式野球交流大会では、渡島管内代表・北浜スポーツ少年団との激戦を制し、悲願の初優勝を達成。突出したスター選手や絶対的なエースがいるチームではない。それでも一人ひとりが役割を果たし、「当たり前」を徹底して積み重ねる野球で北海道の頂点へ上り詰めた。
全国各地の代表だけが集う“学童野球の国体”へ――。北海道王者となった星置レッドソックスが、培ってきたチーム力を武器に全国へ挑む。
初戦は岡山の名門・邑久リーガーズ 坂本龍馬旗4強の実力派と激突
星置レッドソックスの初戦は、大会2日目の8月9日午前8時から、岡山県代表・邑久リーガーズ軟式野球スポーツ少年団と対戦する。
岡山県瀬戸内市邑久町(おくちょう)を拠点とする邑久リーガーズは、全国大会の常連として知られる実力派チーム。2018年には岡山県代表として「高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」へ出場した実績を誇る名門だ。
さらに今夏、高知県で開催された「第15回坂本龍馬旗争奪西日本小学生野球大会」にも出場。3回戦、準々決勝を勝ち上がり、準決勝では北海道代表・釧路ゴールデンモンキーズBBCと対戦し、0-4で敗れたものの堂々のベスト4入りを果たしている。
全国経験豊富な相手との初戦は決して容易な戦いではない。しかし、「凡事徹底」を合言葉に北海道王者へ上り詰めた星置レッドソックスにとっては、自分たちの野球を貫く絶好の舞台でもある。
北海道代表としての誇りを胸に、全国初戦から真価が試される。

「当たり前」の積み重ねが北海道王者をつくった
北海道代表の座をつかむまでの道のりは、決して平坦ではなかった。
激戦の札幌市予選を勝ち抜き、3年連続でスタルヒン杯へ出場。全道大会では1回戦で新冠野球スポーツ少年団(日高管内)を8-3で下すと、2回戦では2年前の決勝で敗れた深川ヤングスターズ(空知管内)に14-6で雪辱。準決勝では新生台イーグルス(胆振管内)を15-5で退け、決勝へ駒を進めた。
決勝では渡島管内代表・北浜スポーツ少年団と一進一退の攻防を繰り広げ、7-6で勝利。2度目の決勝挑戦で、ついに悲願の初優勝を成し遂げた。
チームに突出したスラッガーや圧倒的なエースはいない。それでも勝ち続けられた理由は、一人ひとりが自らの役割を理解し、仲間を支え合う組織力にある。
誰かが苦しい時は仲間が支え、ミスが出れば全員で取り返す。その積み重ねが、北海道王者への道を切り開いた。

全国を目指し積み重ねた確かな実績
今回が初めて全国の舞台に立つわけではない。
2016年には「野球のまち阿南少年野球全国大会」へ初出場。以降もポップアスリート星野仙一杯、筑後川旗西日本学童軟式野球大会、千葉市長杯など、全国・道外大会へ挑戦を続けてきた。
2023年には阿南大会で第3位、2024年には坂本龍馬旗でも第3位、2025年には北日本少年軟式野球選手権大会でも第3位と、全国の強豪相手にも互角以上の戦いを演じてきた。
その経験の一つひとつが、今回の北海道制覇へとつながっている。

渡辺監督が貫く「凡事徹底」の哲学
星置レッドソックスを語る上で欠かせないのが、2014年からチームを率いる渡辺敦監督の指導理念である。
チームスローガンは「凡事徹底」。
当たり前のことを誰よりも丁寧に、どこよりも高いレベルで継続する――。
当時はまだ野球界でも今ほど一般的ではなかったこの考え方を、渡辺監督は就任当初から掲げ続けてきた。今ではその理念がチーム文化として根付き、星置レッドソックスらしさを象徴する言葉となっている。
その考え方は、グラウンドの細部にまで行き届いている。
道具の整理整頓や整列、ランニング、ウォーミングアップの姿勢まで、一つひとつを妥協しない。日々の小さな積み重ねが、チーム全体の力を底上げしている。
キャッチボールも、その代表例だ。
立った姿勢だけでなく、膝をついた状態や体勢を崩した状態など、実戦を想定したさまざまな姿勢からスナップスローやスローイングを繰り返し、送球技術を磨いていく。
投手陣もブルペンでの投球練習はほとんど行わない。
「投手としての能力はキャッチボールで養われる」という考えのもと、一球一球の質を追求しながら、肩や肘への負担を抑え、理想的なフォームづくりにつなげている。
アップでは、体幹を安定させ深部感覚へ刺激を与える専用シャツを着用し、身体機能を高めながらウォーミングアップを実施。ケガを防ぎ、常に良い状態でプレーできる身体づくりにも細やかな配慮を欠かさない。
こうした日々の積み重ねは、「送球ミスが少ない」「毎年投手のレベルが安定している」と他チームの指導者から評価される理由にもなっている。


“学童野球の国体”で北海道代表の誇りを胸に
エンジョイ!軟式野球フェスティバルは、全国各地の代表チームだけが集う特別な大会だ。各都道府県・地域を代表する精鋭が一堂に会することから、“学童野球の国体”とも呼ばれている。
そこで問われるのは、一人の力ではなく、チーム全員の総合力。
それは、星置レッドソックスが北海道で磨き続けてきた最大の武器でもある。
「凡事徹底」を合言葉に、一球を大切にし、一歩一歩を積み重ねてきた選手たち。
北海道で積み上げてきた”当たり前”が、全国の舞台でどこまで通用するのか。
北海道代表としての誇りを胸に、仲間を信じ、自分たちを信じて挑む新たな戦いが、まもなく始まる。


石原主将が掲げる「笑顔」と「支え合い」 全国でも変わらぬ星置野球を
星置レッドソックスをまとめる石原将伍主将(6年)は、チーム最大の強みとして「明るさ」を挙げる。
シーズン序盤と比べ、6年生4人を中心にチームの結束は一段と強まったという。
「春頃に比べると、6年生4人を中心にまとまりが出てきました。5年生もそれについてきてくれて、今は明るいチームになってきていると思います」
チームカラーも、その「明るさ」と「支え合い」が軸だ。
「みんなが笑顔で、一つ一つ声を掛け合って支え合えるチームです。守備からリズムをつくって打撃につなげ、1点ずつ積み重ねていくのが僕たちのスタイルです」
主将として常に意識しているのは、自らが先頭に立つ姿勢だ。
「5年生以下を引っ張っていくことと、自分が一番笑顔で明るくいることを大切にしています。それと、他の6年生が自分よりしっかりしているので、とても安心感があります」
全国大会では、これまで築き上げてきたチームカラーをそのまま全国の舞台で表現したいと力を込める。
「全国大会では苦しい場面も多くなると思いますが、明るさを大事にして、みんなで笑顔を忘れずに戦いたいです。全国という舞台でみんなが緊張していたら、主将としてリラックスさせて、打撃でも守備でもチームを引っ張って貢献したいです」
そして最後は、迷いのない言葉で全国への決意を口にした。
「優勝します!」

全国・道外大会出場・入賞実績
2016(平成28)年、野球のまち阿南 第4回少年野球全国大会出場。
2019(平成31)年、第13回ポップアスリート星野仙一杯
2021(令和3)年、筑後川旗西日本学童軟式野球大会・出場、第15回ポップアスリート星野仙一杯・出場
2022(令和4)年、第16回ポップアスリート星野仙一杯
2023(令和5)年、野球のまち阿南第11回少年野球全国大会・第3位
2024(令和6)年、第13回龍馬旗争奪西日本小学生野球大会・第3位
2025(令和7)年、第23回千葉市長杯争奪学童野球選手権大会・出場、北日本少年軟式野球選手権大会・第3位
2026(令和8)年、エンジョイ!軟式野球フェスティバル2026・出場
※3度出場したポップアスリート星野仙一杯は何れもベスト8の成績。

ベンチ入りメンバー
指導者・スタッフ
▼責任者
辻 克治(49)
▼監督
㉚渡邊 敦(50)
▼コーチ
㉙清水口 航太(43)
㉘佐々木 翔希(40)
▼サポートスタッフ
渋谷 和尭(39)
選手
⑩石原 将伍(いしはら しょうご)
6年・右投げ、右打ち
151センチ、40キロ
①佐々木 遥真(ささき はるま)
6年・右投げ、右打ち
153センチ、44キロ
②辻 諒馬(つじ りょうま)
6年・右投げ、右打ち
150センチ、40キロ
⑧渋谷 侑成(しぶや ゆうせい)
6年・右投げ、右打ち
147センチ、34キロ
③山口 廉巴(やまぐち れんぱ)
5年・左投げ、左打ち
133センチ、35キロ
④豊岡 羚眞(とよおか れいま)
5年・右投げ、右打ち
130センチ、29キロ
⑤清水口 絢香(しみずぐち あやか)
5年・右投げ、右打ち
145センチ
⑦杉山 愛治(すぎやま よしはる)
5年・右投げ、右打ち
139センチ、30キロ
⑨池内 陸(いけうち りく)
5年・右投げ、右打ち
146センチ、48キロ
⑪斎藤 陽大(さいとう はるた)
5年・右投げ、左打ち
145センチ、39キロ
⑫工藤 颯太(くどう そうた)
5年・右投げ、右打ち
136センチ、30キロ
⑬藤井 翔我(ふじい とわ)
5年・右投げ、右打ち
135センチ、28キロ
⑭岡本 颯亮(おかもと そうすけ)
5年・右投げ、右打ち
135センチ、31キロ
⑮堰合 朝陽(せきあい あさひ)
5年・右投げ、右打ち
147センチ、39キロ

全国大会・エンジョイ!軟式野球までの軌跡
第47回スタルヒン杯争奪大会・北海道予選

◆決 勝(7月20日)
〇 7-6 北浜スポーツ少年団(渡島)
◆準決勝(7月19日)
〇 15-5 新生台イーグルス(胆振)
◆2回戦(7月19日)
〇 14-6 深川ヤングスターズスポーツ少年団(空知)
◆1回戦(7月18日)
〇 8-3 新冠野球スポーツ少年団(日高)
第49回札幌市スポーツ少年団 春季野球交流大会
◆決 勝
〇 5-2 札苗スターズ
◆準決勝
〇 6-1 厚別西キングパワーズ
◆準々決勝
〇 7-0 札幌オールブラックス
◆3回戦
〇 5-2 札幌ブラックタイガース
◆2回戦
〇 8-1 緑丘ホーマーズ
◆1回戦
〇 4-2 SD GREATES

エンジョイ!軟式野球・トーナメント表


協力:星置レッドソックス
