
和歌山県高野町で開催された「第30回高野山旗全国学童軟式野球大会」で、北海道代表・東16丁目フリッパーズが3回戦で岡山県代表・芥子山ベアーズに7-0の五回コールドで快勝し、全国ベスト8入りを決めた。
しかしその直後、ダブルヘッダーで迎えた準々決勝では、大阪府の全国最強チーム・長曽根ストロングスに1-7で敗戦。笹谷武志監督は「完敗です」と率直に語り、気合・根性・闘争心という“古き良き熱”の差を痛感したと語る。だが、立ち止まっている時間はない。8月11日に新潟県で開幕する「高円宮賜杯全日本学童マクドナルド・トーナメント」では、再び頂点を目指す戦いが始まる。
川口琉輝が3回戦を制す!快投で全国8強入り
3回戦のマウンドを託されたのは、普段は裏方に回ることの多い6年生左腕・川口琉輝。全国の檜舞台でその存在感が一気に開花した。岡山県代表・芥子山ベアーズの強打線を相手に、五回参考ながら2安打2四球で完封。自らの投球でチームをベスト8へと導いた。
打線も援護を惜しまなかった。初回、5番・田村智久(6年)のライト前2点タイムリーで3点を先制すると、二回には7番・片岡叡大郎(6年)のライトオーバー三塁打から好機を演出。8番・藤野廉の内ゴロ、そして舘洞海生(6年)、西山宗汰郎(6年)の連続タイムリーで計3点を追加。試合を決定づけた。



王者・長曽根との現実 「全ての面で上」と笹谷監督
ダブルヘッダーとなった準々決勝。迎え撃つのは“日本一の常連”長曽根ストロングス。笹谷監督は「完敗です。監督の力量、チーム力、組織力、試合の入り、ゲームメイク、すべての面で上」と潔く敗戦を認めた。
「失点5点は覚悟していたが、難しいコースにも食らいつき、ヒットゾーンへ運ぶ技術があった」とその実力に脱帽。守備面でも、球際の強さ、守備範囲の広さ、そして鋭い動きと想像以上のパワーに「図抜けて体格が大きい選手がいるわけではないが、質が違った」とコメント。
今の東16丁目に足りないものとして、「今の時代にそぐわないかもしれないが、気合・根性・闘争心」と率直に語った。


一筋の光と、再起への意志
試合は1回から動いた。先頭・丹場泰生、2番・舘洞海生のヒット性の当たりはことごとく長曽根守備陣に阻まれ、逆に二死とされる苦しい立ち上がり。3番・西山宗汰郎がセンター前ヒットを放つも後続が倒れ無得点。
三回、舘洞が内野安打で出塁すると、西山が左中間を破るタイムリー二塁打で1点を返したが、これが唯一の得点に。六回には代打・伊藤煌真(6年)がセンター前ヒットで意地を見せたが、反撃は及ばなかった。
投手陣は、3回戦を投げた川口が再び先発。1回途中から徳田隆之介(6年)、さらに2回途中から西山が継投でつないだが、長曽根の高い集中力に対応しきれなかった。


次なる舞台は「高円宮賜杯」 再戦は決勝で
それでも、落胆ばかりではない。長曽根ストロングスとは「年に数度の交流を持たせてもらっている」と笹谷監督。敗戦の中にも学びがあり、「少しでも差を縮めたい」と前を向く。
両チームは8月11日から新潟県で開催される「高円宮賜杯全日本学童マクドナルド・トーナメント」に出場予定。トーナメント表では、順当に勝ち進めば決勝での対戦となる。
東16丁目フリッパーズが真の“日本一”へ近づくために、学びの多い一戦となったことは間違いない。目指すは、今度こそ“打倒・長曽根”だ。



イニングスコア
◆準々決勝(28日、高野山中学校グラウンド)
東16丁目フリッパーズ(北海道)1-7長曽根ストロングス(大阪府)
東16丁目フリッパーズ
001000=1
32020x=7
長曽根ストロングス
(五回コールドゲーム)
(東)川口、徳田、西山ー徳田、丹場、徳田
(長)森川ー岩崎
▽二塁打:山田2(長)
◆3回戦(28日、高野山中学校グラウンド)
東16丁目フリッパーズ(北海道)7-0芥子山ベアーズ(岡山県)
芥子山ベアーズ
00000=0
23011=7
東16丁目フリッパーズ
(五回コールドゲーム)
(芥)満口、法領田、片山ー松下
(東)川口ー徳田
▽三塁打:片岡(東)
▽二塁打:西山2(東)
フォトグラフ








協力:東16丁目フリッパーズ