
2022年夏の甲子園を制し、宮城県勢・東北勢として史上初の全国制覇を果たした仙台育英高校。その強さの背景には、中等教育段階からの一貫した野球指導体制がある。仙台育英学園は2021年度、系列の秀光中学校軟式野球部を廃部とし、新たに中学生対象の硬式クラブチーム「秀光ボーイズ」を立ち上げた。所属できるのは秀光中学校の生徒のみで、少数精鋭の中、技術面はもちろん生活や学業面まで徹底した育成が行われている。
高校野球部への進学は自動的ではなく、内部選抜を経る必要があるが、中高一貫によるチームワークの形成や技術の継承が着実に進む注目の育成組織だ。今回、この秀光ボーイズが8月9日に開幕した日本少年野球北海道大会に出場。11人の精鋭で挑み、決勝では日立ボーイズに惜しくも敗れたものの、堂々の準優勝に輝いた。
1学年10名以下の少数精鋭体制 質の高い指導と成長機会
秀光ボーイズは、1学年あたり原則10名以内という少数制での運営だ。これにより指導者が一人ひとりの選手にしっかりと向き合う時間が確保され、きめ細かい技術指導やメンタルサポートが実現されている。選手は中学3年間を通して硬式野球の基礎とチーム戦術を学び、試合経験を積むことで、全国レベルで通用する実力を身につけていく。